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OncoGuide NCC オンコパネル、適応拡大で新規遺伝子変異やMSIなど検出可能に

[公開日] 2021.02.16[最終更新日] 2021.02.16

2月8日、シスメックス株式会社は、がんゲノムプロファイリング検査用の遺伝子変異解析セットである「OncoGuide NCC オンコパネルシステム」について、検出可能な遺伝子変異を拡大するなど下記の項目において製造販売承認の一部変更承認を2月1日付で取得したと発表した。

OncoGuide NCC オンコパネルシステム一部変更承認申請の概要
・解析対象遺伝子パネルの追加(114遺伝子→124遺伝子)
・マイクロサテライト不安定性(MSI)の検出機能追加
・「OncoGuide NCC オンコパネル解析プログラム」改良に伴うソフトウェアバージョンアップ
・「OncoGuide NCC オンコパネルキット」の一部組成変更
・「OncoGuide NCC オンコパネルキット」の有効期限延長(9カ月→12カ月)

OncoGuide NCC オンコパネルシステムは、日本初のがんゲノムプロファイリング検査用のシステム。2019年6月に保険収載された。固形がんのがん組織における114のがん関連遺伝子が測定可能で、患者ごとの遺伝子変異を解析し、包括的ながんゲノムプロファイリングを取得することで、診断や抗がん剤選択など治療方針の決定に有用な情報を提供する。

今回の承認では、新たに10種の遺伝子変異・増幅、臓器横断的に検出されるNTRK3遺伝子を含む遺伝子融合、DNAを修復するシステム異常と関連してがんが発生しやすい状態を表すマイクロサテライト不安定性(MSI)の検出が可能になった。さらに、124種の遺伝子に関する生殖細胞系列遺伝子バリアントを参考情報として取得し、腫瘍組織と血液(非腫瘍細胞)を同時に検査するマッチドペア検査の結果も参考情報として提供されるという。

これらの機能追加は、患者個々人の遺伝子変異に応じた薬剤選択とそれに伴う治療成績の向上に、さらに寄与することが期待される。なお、がんゲノムプロファイリング検査受託測定を提供する、同社子会社である株式会社理研ジェネシスは、今回承認されたシステムを用いた受託解析の迅速な提供開始を目指すとしている。

マイクロサテライト不安定性(MSI)とは ゲノムDNAの中で、1~数個の短い塩基配列が繰り返す「マイクロサテライト」と呼ばれる反復配列が、DNAを複製する際に塩基配列の間違いを修復する機能が低下していることにより、腫瘍組織において正常組織と異なる反復回数を示す現象。

生殖細胞系列遺伝子バリアントとは 生まれつき保有している遺伝子配列の違いの中で、がんの発症リスクや遺伝性の疾患に関連するもの。

マッチドペア検査とは 固形がん患者の腫瘍組織と同一患者の血液(非腫瘍細胞)のDNAを同時に検査、解析すること。診断目的としていた疾患の他に病的と確定できる遺伝子変異(バリアント)を確認するために行われる。

参照元:
シスメックス株式会社 ニュースリリース
ニュース 固形がん NCCオンコパネル

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