・抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法の有効性・安全性を比較検証
・<1~3次治療としてのキイトルーダは臨床的意義のある持続的な抗腫瘍効果を示した
2020年1月23日(木)~25日(土)に米国・サンフランシスコで開催された米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム(2020 Gastrointestinal Cancers Symposium)にて、PD-L1陽性の進行性胃がん/食道胃接合部がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第2相のKEYNOTE-059試験(NCT02335411)、第3相のKEYNOTE-061試験(NCT02370498)ならびにKEYNOTE-062試験(NCT02494583)の結果がDavid Geffen School of MedicineのZev A. Wainberg氏らにより公表された。
今回の発表は、PD-L1陽性の進行性胃がん/食道胃接合部がん患者に対して3次治療としてのキイトルーダ単剤療法の有効性を検証したKEYNOTE-059試験、2次治療としてのキイトルーダ単剤療法の有効性を検証したKEYNOTE-061試験、1次治療としてのキイトルーダ単剤療法の有効性を検証したKEYNOTE-062試験における全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)、奏効持続期間(DOR)の結果に基づくもの。
KEYNOTE-059試験では、PD-L1陽性の進行性胃がん/食道胃接合部がん患者に対する3次治療としてのキイトルーダ単剤療法の全生存期間(OS)中央値は7.9ヶ月、12ヶ月全生存率(OS)33%、無増悪生存期間(PFS)中央値は2.1ヶ月、客観的奏効率(ORR)17.4%、奏効持続期間(DOR)中央値は20.9ヶ月を示した。
KEYNOTE-061試験では、PD-L1陽性の進行性胃がん/食道胃接合部がん患者に対する2次治療としてのキイトルーダ単剤療法の全生存期間(OS)中央値は10.4ヶ月、12ヶ月全生存率(OS)45%、無増悪生存期間(PFS)中央値は2.7ヶ月、客観的奏効率(ORR)24.5%、奏効持続期間(DOR)中央値は未到達を示した。
KEYNOTE-062試験では、PD-L1陽性の進行性胃がん/食道胃接合部がん患者に対する1次治療としてのキイトルーダ単剤療法の全生存期間(OS)中央値は17.4ヶ月、12ヶ月全生存率(OS)57%、無増悪生存期間(PFS)中央値は2.9ヶ月、客観的奏効率(ORR)25.0%、奏効持続期間(DOR)中央値は19.3ヶ月を示した。
以上の3つの試験結果よりZev A. Wainberg氏らは以下のように結論を述べている”PD-L1陽性の進行性胃がん/食道胃接合部がん患者に対する1~3次治療としての抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法は、臨床的意義のある持続的な抗腫瘍効果を示しました。”
Efficacy of pembrolizumab (pembro) monotherapy versus chemotherapy for PD-L1–positive (CPS ≥10) advanced G/GEJ cancer in the phase II KEYNOTE-059 (cohort 1) and phase III KEYNOTE-061 and KEYNOTE-062 studies.(J Clin Oncol 38, 2020 (suppl 4; abstr 427))