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リムパーザ、相同組換え修復遺伝子変異を伴う転移性去勢抵抗性前立腺がん対象の第3相試験で主要評価項目を達成

[公開日] 2019.08.20[最終更新日] 2019.08.20

2019年8月7日、アストラゼネカ株式会社(以下、アストラゼネカ)およびMerck社(北米以外ではMSD、以下MSD)は、オラパリブ(商品名:リムパーザ)の第3相PROfound試験における良好な結果を発表した。

本試験は、転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者のうち、相同組換え修復関連遺伝子変異陽性 (HRRm)であり、かつ前治療として 新規ホルモン薬による治療(エンザルタミド、アビラテロン酢酸エステル)を行い、病勢進行が認められた患者を対象に行ったものである。

今回の試験では、HRRmを有する集団の一部であるBRCA1/2遺伝子またはATM遺伝子変異陽性のmCRPC患者において、リムパーザ投与群と、エンザルタミドまたはアビラテロン酢酸エステル投与群で比較し、主要評価項目である、画像診断に基づく無増悪生存期間(rPFS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示した。なお、リムパーザの安全性および忍容性は、これまでに行われた試験の安全性プロファイルと概ね一貫している。

アストラゼネカとMSDは、今後の学術集会において、当試験の全データを提示する予定。さらにリムパーザをアビラテロン酢酸エステルとの併用療法でmCRPCの一次治療に用いる第3相PROpel試験など、前立腺がんに関する臨床試験を今後も実施していく予定である。

※転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に対するリムパーザの適応は未承認

PROfound試験について
PROfound試験は前向き多施設共同無作為化非盲検の第3相試験で、新規ホルモン薬による治療歴のある進行がんで、かつBRCA1/2、ATM、CDK12などの相同組換え修復(HRR)に関連する15の遺伝子のうちのいずれかに変異が見られるmCRPC患者を対象にリムパーザの効果と安全性を評価する試験を指す。

転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)について
前立腺がんは男性において2番目に罹患率が高いがんであり、2018年には世界中で推定130万人が新たに診断され、高い死亡率を伴う注1)。前立腺がんの発症は多くの場合、テストステロンを含むアンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンにより促進される2。男性ホルモンの作用を阻止するアンドロゲン除去療法を行ったにもかかわらず、前立腺がんが増殖し、他の部位に転移した場合、mCRPCと診断される注2)。進行前立腺がん患者の約10-20%は5年以内で去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)へと進行し、そのうち84%の患者はCPRC診断時に転移を有する注3)。また、CRPC診断時に転移のない患者であっても、そのうちの33%が2年以内に転移を発現する3。mCRPCに対する治療選択肢は増えてきていますが、依然として5年生存率は低いままである3。

リムパーザについて
オラパリブ(商品名:リムパーザ )は、ファーストインクラスのPARP阻害剤であり、BRCA1および/またはBRCA2遺伝子変異などの相同組み換え修復(HRR)の欠損を有する細胞または腫瘍のDNA損傷応答(DDR)を阻害する最初の標的治療薬。 リムパーザによるPARP阻害はDNA一本鎖切断に結合するPARPを捕捉し、複製フォーク停止と崩壊を惹起することで、DNA二本鎖切断を起こしがん細胞を死滅させる。リムパーザはDDR経路に異常をきたした一連のがんの種類において開発が進行中である。

リムパーザは、現在EU域内の国を含む64カ国で、BRCA遺伝子変異の有無にかかわらず「プラチナ製剤感受性の再発卵巣癌における維持療法」の適応症で承認されている。また、米国、EU、日本、他数か国において、「プラチナ製剤ベースの化学療法で奏効が維持されているBRCA遺伝子変異陽性進行卵巣癌における初回維持療法」の適応症で承認を受けている。さらに、米国、日本を含む40カ国では、「化学療法後のBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の転移性乳がん」の適応症で承認を受けており、EUではこれに加えて「化学療法後のBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の局所進行性乳がん」の適応症でも承認を受けている。その他の国においても、卵巣がん、乳がん、膵臓がんに対する適応症について、規制当局による審査が進行中である。

アストラゼネカおよびMSDが共同で開発と製品化を行っているリムパーザは、進行卵巣がん、転移性乳がんの適用症で承認を受け、世界中で2万5千人以上の患者に使われている。また、リムパーザに対しては、PARP阻害剤のなかでも幅広く最も進んだ臨床試験開発プログラムが行われている。アストラゼネカとMSDは協業して、リムパーザが様々ながんのタイプにわたり、単独療法および併用療法で、複数のPARP依存性腫瘍に奏効する仕組みを解明しようとしている。 アストラゼネカにとってリムパーザは、がん細胞のDDRメカニズムを標的とする潜在的新薬における業界トップのポートフォリオの基盤である。

アストラゼネカは2016年1月、米国食品医薬品局(FDA)が、TOPARP-A第2相試験の良好な結果に基づいて、前治療としてタキサン系製剤ベースの化学療法を受け、かつ新規ホルモン薬治療(アビラテロン酢酸エステルまたはエンザルタミド)を受けているBRCA1/2遺伝子またはATM遺伝子変異陽性の転移性去勢抵抗性前立腺がん患者に対する単独療法の画期的治療薬(Breakthrough Therapy Designation)にリムパーザを指定した、と発表した。

参照元:アストラゼネカ プレスルーム 注1)World Health Organisation. International Agency for Research on Cancer. Global Cancer Statistics 2018 estimates of incidence and mortality worldwide for 36 cancers in 185 countries [Accessed July 2019]. 注2) Cancer.Net. (2019). Treatment of metastatic castration-resistant prostate cancer.[Accessed July 2019] 注3)Cancer.Net. (2019). Prostate Cancer - Statistics. Available at: [Accessed July 2019]
ニュース 前立腺がん 免疫チェックポイント阻害薬

中島 香織

広告業界、放送局業界、コンサート・舞台企画業界を経て1年間渡米留学。帰国後は、外資系企業に就業。イベントマネージャーとしてPR,マーケティング業務に携わる。がん情報サイト「オンコロ」では、主にイベント運営、Webサイトの更新、コラム投稿に従事。宣伝会議コピーライター養成講座修了、乳がん体験者コーディネーター(BEC)11期生。

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