再発難治性急性骨髄性白血病患者に対する放射性免疫療法薬リンツズマブ+化学療法、客観的奏効率67〜100%を示す米国血液学会議(ASH 2020)


  • [公開日]2020.12.15
  • [最終更新日]2020.12.25
この記事の3つのポイント
再発難治性急性骨髄性白血病(AML)患者が対象の第1相試験
・放射性免疫療法薬である抗CD33抗体リンツズマブ+化学療法有効性安全性を検証
忍容性に問題はなく、非常に良好な抗腫瘍効果を示した

2020年12月5日~8日、オンラインミーティングで開催された第62回米国血液学会議(ASH 2020)にて再発難治性急性骨髄性白血病(AML)患者に対する放射性免疫療法薬である抗CD33抗体リンツズマブ-AC225+化学療法の有効性、安全性を検証した第1相試験の結果がMedical College of Wisconsinのameem Abedin氏らにより公表された。

本試験は、再発難治性急性骨髄性白血病(AML)患者に対して導入療法として1~6日目にG-CSF 300mcg、2~6日目にクラドリビン5mg/m2、2~6日目にシタラビン2g/m2、2~4日目にミトキサントロン10mg/m2を併用、7、8、9日目にリンツズマブ-AC2250.25uCi/kg(コーホート1)、0.50uCi/kg(コーホート2)、0.75uCi/kg(コーホート3)単剤療法を投与し、主要評価項目として安全性、副次評価項目として完全寛解(CR)+血球数の回復が不完全な完全寛解(CRi)+部分寛解(PR)として定義された客観的奏効率ORR)などを検証した第1相試験である。

本試験が開始された背景として、放射性免疫療法薬である抗CD33抗体リンツズマブ-AC225は急性骨髄性白血病(AML)患者に対する導入療法として70%以上の患者で完全寛解(CR)、血球数の回復が不完全な完全寛解(CRi)を達成している。以上の背景より、再発難治性急性骨髄性白血病(AML)患者に対するサルベージ化学療法にリンツズマブ-AC225を加えることで寛解率が向上することが期待され、本試験が開始された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値は61歳(20~73歳)。性別は男性53%(N=8人)。前治療歴中央値は2レジメン(1~5レジメン)。造血幹細胞移植歴は53%(N=8人)。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

主要評価項目であるグレード3以上の有害事象(AE)は好中球減少症(N=12人)、感染症(N=8人)、斑状丘疹状発疹(N=2人)、吐き気(N=2人)、QT延長(N=1人)、腫瘍崩壊症候群(N=1人)が確認された。

有効性評価がされた15人の患者におけるコーホート別の客観的奏効率(ORR)は下記の通りである。コーホート1(N=3人)では客観的奏効率(ORR)67%(N=2人)、コーホート2(N=9人)では客観的奏効率(ORR)67%(N=6人)、コーホート3(N=3人)では客観的奏効率(ORR)100%(N=3人)を示した。

以上の第1相試験の結果よりameem Abedin氏らは下記のように結論を述べている。”再発難治性急性骨髄性白血病(AML)患者に対する放射性免疫療法薬である抗CD33抗体リンツズマブ-AC225+化学療法は忍容性に問題なく、非常に良好な抗腫瘍効果を示しました。”

A Phase I Study of Lintuzumab Ac225 in Combination with CLAG-M Chemotherapy in Relapsed/Refractory AML(62nd ASH Annual Meeting & Exposition,Abstract 165)

×

リサーチのお願い


この記事に利益相反はありません。

会員登録 ログイン