キイトルーダ+化学療法、根治切除不能な進行/再発食道がんに対するファーストラインで適応拡大承認を申請ーMSDー


  • [公開日]2020.12.08
  • [最終更新日]2020.12.03

11月30日、MSD株式会社はキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ、以下キイトルーダ)+シスプラチン+5-フルオロウラシル(5-FU)併用療法について、根治切除不能な進行/再発食道がんに対するファーストラインとしての適応拡大承認申請を行ったと発表した。

キイトルーダは抗PD-1抗体の1種。T細胞に多く発現する受容体PD-1とそのリガンドであり腫瘍細胞に発現するPD-L1、PD-L2の相互作用を阻害する役割を持つ。キイトルーダはPD-1に結合することでT細胞に生じたPD-1経路を介する免疫抑制経路の解除によりがんの増殖を抑制する。

今回の申請は、第3相KEYNOTE-590試験の結果に基づくもの。同試験では、局所進行または転移性食道がん/食道胃接合部(GEJ)がんのファーストラインとして、キイトルーダ+シスプラチン+5-FU併用療法をプラセボ+シスプラチン+5-FUと比較した。その結果、キイトルーダ+化学療法群は全生存期間OS)を有意に延長し、プラセボ+化学療法群と比較して死亡リスクを27%減少させた。(HR=0.73,95%信頼区間:0.62-0.86、 p<0.0001)また、無増悪生存期間(PFS)も有意に延長し、キイトルーダ+化学療法群がプラセボ+化学療法群と比較して疾患進行または死亡のリスクを35%減少した。(HR=0.65,95%信頼区間:0.55-0.76、p<0.0001) (参照元:MSD株式会社 9月28日プレスリリース

キイトルーダは前立腺がん、胃がん、肝細胞がん、小細胞肺がん、子宮頸がん、進行固形がんなどを対象にした抗菌臨床試験を含め世界で1300以上の臨床試験が検討されている。MSDは「重点分野と位置付けるがん領域で患者さんと医療従事者のニーズに応えていけるよう、革新的な医薬品の開発を進め、承認取得に向けて取り組んでいきます」と述べている。

食道がんとは
食道の粘膜に発生し、主に扁平上皮がんと腺がんに大別される。日本人においては90%以上が扁平上皮がんであり、推定患者数は約23000人、死亡数は12000と言われている。進行した浸潤遠隔転移の食道がんの5年生存率は約12%であり、新たな治療手段が求められている。

参照元:
MSD株式会社 ニュースリリース

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