9月9日、武田薬品工業株式会社は、バーチャルで開催された第8回血液腫瘍学会議にてTOURMALINE-MM2試験(NCT01850524)のデータを発表した。
この試験は自己幹細胞移植が適応とならない新規多発性骨髄腫患者を対象に、ニンラーロ(一般名:イキサゾミブクエン酸エステル、以下ニンラーロ)+レナリドミド+デキサメタゾン併用療法(ニンラーロ群)とプラセボ+レナリドミド+デキサメタゾン併用療法(プラセボ群)を比較検証した第3相試験。主要評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は完全奏効率(CR)、全生存期間(OS)、無増悪期間(TTP)などである。
ニンラーロは65カ国以上で、1つ以上の前治療を受けたことのある多発性骨髄腫患者においてレナリドミドとデキサメタゾンとの併用が承認されているが新規多発性骨髄腫と診断された患者への治療薬としては承認されていない。
本試験の結果、無増悪生存期間(PFS)中央値はニンラーロ群35.3カ月、プラセボ群21.8カ月(HR:0.83、p=0.073)で13.5カ月改善したが統計学的有意は示せなかった。また、副次評価項目である完全奏功率(CR)は、ニンラーロ群で26%、プラセボ群14%、全生存期間(OS)中央値はニンラーロ+レナリドミド+デキサメタゾン併用療法群57.8ヵ月、プラセボ+レナリドミド+デキサメタゾン併用療法群58.6ヵ月であったが、どちらも未到達(HR 0.998)。無増悪期間(TTP)中央値は、ニンラーロ群が45.8カ月、プラセボ群が26.8カ月を示した(HR 0.738)。
また、安全性に関しては、既知の安全性プロファイルと概ね一致していた。
武田薬品工業のChristopher Arendt氏は「当社は、今後も多発性骨髄腫の患者さんに貢献していきたいと考えており、現在進行中の第3相臨床試験で得られたデータを共有していきたい」と述べている。
参照元:武田薬品工業株式会社 ニュースリリース