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胃がん、食道がんに対する一次治療としてオプジーボ+化学療法、全生存期間と無増悪生存期間を改善

[公開日] 2020.08.19[最終更新日] 2020.08.19

8月11日、米ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は転移性胃がん、胃食道接合部(GEJ)がん、食道腺がんの一次治療としてオプジーボ(一般名:ニボルマブ、以下オプジーボ)+化学療法を化学療法のみと比較評価した第3相CheckMate-649試験の結果、中間解析での全生存期間(OS)と最終解析での無増悪生存期間(PFS)を達成したと発表した。

胃がんは世界で5番目に多く、がんによる死因で3番目に多い。米国において、転移が認められた場合の5年相対生存率は5.5%。また、食道と胃の接合部に出来るGEJがんの罹患率は胃がんより少ないが増加傾向である。胃がんもしくはGEJがんの多くは症状悪化により、一次治療以降の治療を受けることが出来ないため、一次治療の有効性に期待されている。一方、食道がんは世界で7番目に多く、がんによる死因は6番目。米国における転移性食道がんの5年相対生存率は4.9%。食道がんの多くは進行期に診断され、飲食など日常生活に大きな影響を与える。

CheckMate-649試験は、未治療のHER2陽性以外の進行/転移性胃がん、GEJがん、食道がんの患者を対象にオプジーボ+化学療法併用、化学療法のみ、オプジーボ+ヤーボイ併用療法の3群に割り付け、主要評価項目をオプジーボ+化学療法群でPD-L1発現combined positive score(CPS)が5以上の患者におけるOSおよびPFSとした第3相試験。オプジーボ+化学療法群には、3週間1サイクルとしてオプジーボ360mgとカペシタビンおよびオキサリプラチン(CapeOX)投与または2週間1サイクルとしてオプジーボ240mgと5-フルオロウラシル、ロイコボリンおよびオキサリプラチン(FOLFOX)を投与、オプジーボ+ヤーボイ併用療法群には、3週間1サイクルとしてオプジーボ1mgkg+ヤーボイ3mg/kgを4回、その後2週間毎にオプジーボ240mgを投与、化学療法群には3週間1サイクルとしてCapeOXまたは2週間1サイクルとしてFOLFOXを投与し、病勢進行もしくは容認できない毒性が認められるまで最大2年継続された。

その結果、中間解析におけるOSおよび最終解析におけるPFSの良好な改善を示し、安全性プロファイルはこれまでに一次治療としてのオプジーボ+化学療法併用療法で認められているものと一貫していた。これにより、オプジーボは胃がん、食道がん治療において化学療法との併用で生存ベネフィットを示した最初のPD-1阻害剤となった。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の消化器がん領域担当開発責任者であるIan M. Waxman氏(M.D.)は、「これまでに実施された胃がんおよび食道がんの大規模な試験であるCheckMate-649試験の結果は、ファーストラインの治療において、オプジーボと化学療法の併用療法が治療法に変化をもたらし、胃がん、胃食道部接合部がんまたは食道腺がんの特定の患者さんにとって新たな標準治療となる可能性を示しています。この免疫療法薬を含む治療選択肢を一日も早く患者さんにお届けできるよう世界の保健当局と連携してまいります」と述べている。

引き続き同試験の盲検性を維持し、オプジーボとヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法と化学療法との比較評価など、全データの評価を行い学会で結果を発表するとともに、保健当局とも協議していく予定である。

オプジーボとは 身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっている。オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬である。

参照元:
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 プレスリリース
ニュース 胃がん 胃食道接合部がん

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