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免疫チェックポイント阻害薬関連の副作用である大腸炎はビタミンD療法で減少するASCO-SITC 2020


  • [公開日]2020.02.26
  • [最終更新日]2020.03.11
この記事の3つのポイント
免疫チェックポイント阻害薬治療治療歴のある悪性黒色腫患者が対象の後ろ向き研究
免疫関連副作用irAE)である大腸炎を発症した患者の背景を検証
・ビタミンD療法を実施している患者は、そうでない患者に比べて大腸炎発症リスクが減少

2020年2月6日~8日に米国・フロリダ州オーランドで開催された臨床免疫腫瘍学シンポジウム(ASCO-SITC Clinical Immuno-Oncology Symposium)にて、免疫チェックポイント阻害薬治療治療歴のある悪性黒色腫(メラノーマ)患者のうち、免疫関連副作用(irAE)である大腸炎を発症した患者の背景を後ろ向きに検証した試験の結果がHarvard Medical SchoolのKevin Tyan氏らにより公表された。

本試験は、抗PD-1抗体薬ニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)、抗PD-1抗体薬ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)、抗CTLA-4抗体薬イピリムマブ(商品名ヤーボイ;以下ヤーボイ)治療歴のある悪性黒色腫患者(N=213人)のうち、免疫関連副作用(irAE)である大腸炎を発症した17%の患者(N=37人)の背景を後ろ向きに検証した試験である。

本試験が開始された背景として、免疫チェックポイント阻害薬により大腸炎を発症する患者は少なくないが、その発症を予測するリスク因子は明らかになっていない。以上の背景より、免疫チェックポイント阻害薬により大腸炎を発症する患者のリスク因子を検証する目的で本試験が開始された。

本試験の結果、ヤーボイ単剤療法はキイトルーダ単剤療法に比べて大腸炎発症リスクが高率(ORR:3.34,95%信頼区間:1.1−9.8,P=0.02)、ヤーボイ+オプジーボ併用療法はキイトルーダ単剤療法に比べて大腸炎発症リスクが高率(ORR:7.48,95%信頼区間:2.6–21.8,P=0.0009)であった。

なお、ヤーボイ単剤療法はヤーボイ+オプジーボ併用療法に比べて大腸炎発症リスクが低率(ORR:0.45,95%信頼区間:0.2–1.0,P=0.14)、オプジーボ単剤療法はキイトルーダ単剤療法に比べて大腸炎発症リスクが高率(ORR:1.04,95%信頼区間:0.1–9.3,P=0.95)であったが、両群間に統計学的有意な差は確認されなかった。

また、本試験に登録された患者213人のうち66人(31%)で免疫チェックポイント阻害薬による治療開始前にビタミンD療法が開始されており、ビタミンD療法を実施している患者はそうでない患者に比べて大腸炎発症リスクを減少(ORR:0.35,95%信頼区間:0.1–0.9,P=0.01)させた。

以上の後ろ向き試験の結果よりKevin Tyan氏らは以下のように結論を述べている。”ビタミンD療法は、免疫チェックポイント阻害薬関連の副作用(irAE)である大腸炎の発症率を減少させる可能性が本試験より示唆されました。本試験は後ろ向き試験になりますので、今後は前向き試験による本知見を検証していく必要があります。”

Association of Vitamin D intake with decreased risk of immune checkpoint inhibitor-induced colitis.(J Clin Oncol 38, 2020 (suppl 5; abstr 89))

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