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未治療の進行性卵巣がん患者に対するベリパリブ+カルボプラチン+パクリタキセル併用療法後の維持療法としてのベリパリブ、無増悪生存期間を有意に改善The New England Journal of Medicineより


  • [公開日]2020.01.10
  • [最終更新日]2020.01.10
この記事の3つのポイント
・未治療の進行性卵巣がん患者が対象の第3相試験
導入療法としてのベリパリブ+カルボプラチン+パクリタキセル併用療法などの有効性安全性を比較検証
・全患者群では病勢進行または死亡のリスクを32%減少、BRCA遺伝子変異陽性群では56%減少した

2019年12月19日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて未治療の進行性卵巣がん患者に対する導入療法としてのPARP阻害薬ベリパリブ+カルボプラチン+パクリタキセル併用療法、その後の維持療法としてのベリパリブ単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のVELIA/GOG-3005試験(NCT02470585)の結果がMD Anderson Cancer CenterのRobert L. Coleman氏らにより公表された。

本試験は、未治療の進行性卵巣がん患者に対して導入療法として21日を1サイクルとしてベリパリブ+カルボプラチン+パクリタキセル併用療法後、維持療法としてベリパリブ単剤療法を投与する群(アーム1)、または21日を1サイクルとしてベリパリブ+カルボプラチン+パクリタキセル併用療法後、維持療法としてプラセボ単剤療法を投与する群(アーム2)、または21日を1サイクルとしてプラセボ+カルボプラチン+パクリタキセル併用療法後、維持療法としてプラセボ単剤療法を投与する群(アーム3)に1対1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間PFS)、副次評価項目として全生存期間OS)などを比較検証した第3相試験である。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。

年齢中央値
アーム1群=62歳(30‐85歳)
アーム2群=62歳(22‐88歳)
アーム3群=62歳(33‐86歳)

人種
アーム1群=北アメリカ 70%、日本 7%
アーム2群=北アメリカ 68%、日本 8%
アーム3群=北アメリカ 71%、日本 6%

進行病期
アーム1群=ステージIII 77%、ステージIV 23%
アーム2群=ステージIII 75%、ステージIV 25%
アーム3群=ステージIII 78%、ステージIV 22%

相同組換え修復異常(HRD)陽性群
アーム1群=陽性 63%、陰性 37%
アーム2群=陽性 63%、陰性 37%
アーム3群=陽性 63%、陰性 37%

BRCA遺伝子変異ステータス
アーム1群=陽性 31%、陰性 69%
アーム2群=陽性 29%、陰性 71%
アーム3群=陽性 27%、陰性 69%

以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)はアーム3群に比べてアーム1群で統計学有意に改善した。全患者群における無増悪生存期間(PFS)中央値はアーム1群で23.5ヶ月に対してアーム3群で17.3ヶ月、病勢進行または死亡(PFS)のリスクを32%(HR:0.68,95%信頼区間:0.56-0.83,P<0.001)減少した。

BRCA遺伝子変異陽性群における無増悪生存期間(PFS)中央値はアーム1群で34.7ヶ月に対してアーム3群で22.0ヶ月、病勢進行または死亡(PFS)のリスクを56%(HR:0.44,95%信頼区間:0.28-0.68,P<0.001)減少した。

また、相同組換え修復異常(HRD)陽性群における無増悪生存期間(PFS)中央値はアーム1群で31.9ヶ月に対してアーム3群で20.5ヶ月、病勢進行または死亡(PFS)のリスクを43%(HR:0.57,95%信頼区間:0.43-0.76,P<0.001)減少した。

一方、副次評価項目である全生存期間(OS)は全患者群、BRCA遺伝子変異陽性群、相同組換え修復異常(HRD)陽性群すべてでデータが未成熟であった。

安全性としては、全グレード有害事象(AE)発症率はアーム1群で100%に対してアーム2群で100%に対してアーム3群で100%、グレード3~4の有害事象(AE)発症率はアーム1群で88%に対してアーム2群で88%に対してアーム3群で77%。なお、アーム1群で最も多くの患者で確認された全グレードの有害事象(AE)は吐き気80%、好中球減少症75%、疲労69%、末梢神経障害64%、貧血64%、血小板減少症58%、脱毛症52%を示した。

以上のVELIA/GOG-3005試験の結果よりRobert L. Coleman氏らは以下のように結論を述べている。”未治療の進行性卵巣がん患者に対する導入療法としてのPARP阻害薬ベリパリブ+カルボプラチン+パクリタキセル併用療法、その後の維持療法としてのベリパリブ単剤療法は、無増悪生存期間(PFS)を統計学有意に改善しました。”

Veliparib with First-Line Chemotherapy and as Maintenance Therapy in Ovarian Cancer(N Engl J Med 2019; 381:2403-2415 DOI: 10.1056/NEJMoa1909707)

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