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EGFR陽性の進行性非小細胞肺がん患者に対するアバスチン+タルセバ、タルセバ単剤療法に比べて無増悪生存期間、全生存期間を統計学的有意に改善しないJAMA Oncologyより


  • [公開日]2019.08.27
  • [最終更新日]2019.08.26
この記事の3つのポイント
・EGFR陽性の進行性非小細胞肺がん患者が対象の第2相試験
アバスチン+タルセバ併用療法有効性安全性を検証
・タルセバ単剤療法に比べて、無増悪生存期間全生存期間を統計学的有意に改善せず

2019年8月8日、医学誌『JAMA Oncology』にてEGFR陽性の進行性非小細胞肺がん患者に対する抗VEGF抗体薬であるベバシズマブ(商品名アバスチン;以下アバスチン)+EGFRチロシンキナーゼ阻害薬であるエルロチニブ(商品名タルセバ;以下タルセバ)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第2相試験(NCT01532089)の結果がDuke Cancer InstituteのThomas E. Stinchcombe氏らにより公表された。

本試験は、EGFR陽性の進行性非小細胞肺がん患者(N=88人)に対して3週を1サイクルとして1日目にアバスチン15mg/kg+1日1回タルセバ150mg併用療法を投与する群、または1日1回タルセバ150mg単剤療法を投与する群に分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として客観的奏効率ORR)、全生存期間(OS)などを比較検証した第2相試験である。

本試験が開始された背景として、EGFR陽性の進行性非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としてのEGFRチロシンキナーゼ阻害薬タルセバ単剤療法は現在の標準治療である。本試験により、客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)を統計学的有意に改善することが過去の第3相試験で示されている。

しかしながら、治療成績をさらに向上させるために複数の治療方法の有用性が検証されている。例えば、タルセバに化学療法を上乗せする治療方法等も検証されたが、副作用の高さより安全性に優れていない。以上の背景より、本疾患に対して有効性が確認されている抗VEGF抗体薬アバスチンをタルセバに併用した治療の有効性が本試験で検証された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。

年齢中央値
併用群=65歳(31-84歳)
単剤群=63歳(47-84歳)

性別
併用群=男性28%
単剤群=男性31%

ECOG Performance
併用群=スコア0 56%、スコア1 44%
単剤群=スコア0 42%、スコア1 58%

EGFR遺伝子変異ステータス
併用群=Exon19 67%、Exon21 33%
単剤群=Exon19 67%、Exon21 33%

進行病期
併用群=M1a 49%、M1b 51%
単剤群=M1a 91%、M1b 9%

転移の有無
併用群=あり 26%、なし 74%
単剤群=あり 31%、なし 69%

以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は併用群17.9ヶ月に対して単剤群13.5ヶ月、併用群で病期進行または死亡(PFS)のリスクを19%(ハザード比:0.81,95%信頼区間:0.50-1.31,P=0.39)減少するも両群間で統計学的有意な差は確認されなかった。

また、副次評価項目である客観的奏効率(ORR)は併用群81%に対して単剤群83%、両群間で統計学的有意な差は確認されなかった(P=0.81)。全生存期間(OS)中央値は併用群32.4ヶ月に対して単剤群50.6ヶ月、併用群で死亡(OS)のリスクを41%(ハザード比:1.41,95%信頼区間:0.71-2.81,P=0.33)増加するも両群間で統計学的有意な差は確認されなかった。

一方の安全性として、併用群で5人以上多くの患者が発現したグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は皮膚障害26%、高血圧40%、蛋白尿12%であった。なお、グレード5の治療関連有害事象(TRAE)は併用群で1人の患者も発現が確認されなかった。

以上の第2相試験の結果よりThomas E. Stinchcombe氏らは以下のように結論を述べている。”EGFR陽性の進行性非小細胞肺がん患者に対する抗VEGF抗体薬アバスチン+EGFRチロシンキナーゼ阻害薬タルセバは、タルセバ単剤療法に比べて無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を統計学的有意に改善しませんでした。”

Effect of Erlotinib Plus Bevacizumab vs Erlotinib Alone on Progression-Free Survival in Patients With Advanced EGFR-Mutant Non–Small Cell Lung Cancer A Phase 2 Randomized Clinical Trial(JAMA Oncol. 2019 Aug 8.doi:10.1001/jamaoncol.1847.)

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