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がん治療に放射線治療を上手に組み合わせる意義


  • [公開日]2019.08.23
  • [最終更新日]2019.08.23
この記事の3つのポイント
・他国に比べて、放射線治療を組み合わせるがん治療の実施が低い
・緩和目的、特に疼痛緩和や止血にて放射線治療を組み合わせることは有効
・放射線治療を組み込むことで治療と仕事を両立できる選択肢が広がる

2019年7月24日(水)、東京大学医学部附属病院(東京都文京区)でメディアセミナー「仕事と治療の両立を可能にする放射線治療」を開催。本セミナーは、仕事とがん治療の両立というがん患者共通の課題に対して、放射線治療を上手に組み合わせることが一つの解決策になり得ることを啓発するセミナーとなる。

その中で「がんは放射線治療の時代へ」を講演した東京大学医学部附属病院放射線科の中川恵一氏は自身も2018年に膀胱がんに罹患したがんサバイバーで、講演の中で自らが罹患した時の経緯も語った。 中川氏は日本人のヘルスリテラシーの低さに問題があると指摘。「例えば医師から言われたことを理解するのは難しいと答えた日本人の割合は44%である一方、オランダは9%もない」と話した。

さらに、がん検診受診率や放射線治療(併用を含む)を受けた患者の割合低いことを指摘。「日本は先進国の中で唯一がん死亡数が増加しており、基本人口10万人当たりの日本の死亡率はアメリカの1.6倍ことは、これらが関与している可能性が考えられる」とも話した。

中川氏は続けて、公益財団法人日本放射線学会(JASTRO)で作成したリーフレットを元に「放射線治療は幅広い種類のがんに有効性が認められており、生活の質を保つため、がんに伴う症状の緩和にも有効」と語った。例えば痛みや出血にも有用な治療法なのだが、まだまだ一般には副作用や費用、有効性について誤解が多い。

その一方で、手術に対する放射線治療の活用について、がん種やステージによっては放射線と手術は同じ有効性を示し、このことは「10年後、5年後と元気に暮らしている割合が同じである」と話した。さらにそのメリットとして「放射線治療の場合、通院治療出来ることで治療と仕事を両立しやすくなる場合もある」と話した。

中川氏の講演後、がんサバイバーである大門正博氏(東京大学工学部研究所職員)、藤田聖子氏(がん対策推進企業アクション事務局職員)が登壇し、パネルディスカッション「患者に寄り添うがん治療」が行われた。

在職中に前立腺がんに罹患した大門氏は、セカンドオピニオンを経て放射線治療を受けた経緯を振り返り「有給休暇を取りつつ通院だけで治療と仕事を両立することができた。治療法を医師任せにせず、自分が納得できる治療を受けることが重要」と話した。

また、乳がん罹患時にがん対策推進企業アクション事務局に在籍していた藤田氏は,部分切除後に放射線治療を受けた経験について「放射線治療について体への負担が少なく選択して良かったと思っている」と話した。

ディスカッション後、2018年に行われたがん患者を対象とした意識調査の結果を報告した。同調査のまとめとして中川氏は患者や市民が主体的にがんの治療法に対する情報を持った上で、セカンドオピニオンを受ける等、自らが選択・行動することが重要だと締めくくった。

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