・イブランス+アービタックス併用療法の有効性・安全性を検証
・客観的奏効率19~39%と良好な抗腫瘍効果を示した
2019年7月24日、医学誌『The Lancet Oncology』にてプラチナ系抗がん剤耐性またはセツキシマブ(商品名アービタックス;以下アービタックス)耐性のヒトパピローマウイルス非関連性頭頸部がん患者に対するCDK4/6阻害薬であるパルボシクリブ(商品名イブランス;以下イブランス)+抗EGFR抗体薬であるアービタックス併用療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT02101034)の結果がWashington University School of MedicineのDouglas Adkins氏らにより公表された。
本試験は、ヒトパピローマウイルス非関連性頭頸部がん患者に対して28日を1サイクルとして1~21日目に1日1回イブランス125mg+週1回アービタックス250mg/m2(初回のみ400mg/m2)併用療法を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)を検証した多施設共同の第2相試験である。なお、ヒトパピローマウイルス非関連性頭頸部がん患者はプラチナ系抗がん剤耐性群30人(グループ1)、アービタックス耐性群32人(グループ2)に分けられている。
本試験のフォローアップ期間中央値グループ1で5.4ヶ月(4.4-12.1ヶ月)、グループ2で5.5ヶ月(4.3-8.3ヶ月)時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)はグループ1で39%(95%信頼区間:22%-59%,N=11人)、グループ2で19%(95%信頼区間:6%-38%,N=5人)を示した。
一方の安全性として、最も多くの患者で確認されたイブランス関連のグレード3または4の有害事象(AE)は好中球減少症34%(N=21/62人)であった。なお、治療関連有害事象(TRAE)により死亡した患者は1人も確認されなかった。
以上の第2相試験の結果よりDouglas Adkins氏らは以下のように結論を述べている。”ヒトパピローマウイルス非関連性頭頸部がん患者に対するCDK4/6阻害薬イブランス+抗EGFR抗体薬アービタックスは、プラチナ系抗がん剤耐性患者に対してもアービタックス耐性患者に対しても良好な抗腫瘍効果を示しました。”
Palbociclib and cetuximab in platinum-resistant and in cetuximab-resistant human papillomavirus-unrelated head and neck cancer: a multicentre, multigroup, phase 2 trial(Lancet Oncol. 2019 July 24:doi.10.1016/S1470-2045(19)30405-X).