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切除不能/再発胃・胃食道接合部がん患者に対するセカンドライン治療としてのオプジーボ+サイラムザ+パクリタキセル併用療法、6ヶ月無増悪生存率46.4%を示す

[公開日] 2019.07.29[最終更新日] 2019.07.29

この記事の3つのポイント ・切除不能/再発胃・胃食道接合部がん患者が対象の第1/2相試験
・セカンドライン治療としてのオプジーボ+サイラムザ+パクリタキセル併用療法の有効性・安全性を検証
・主要評価項目である6ヶ月無増悪生存率は46.4%を示し、閾値として設定された35%を超えた

2019年7月3~6日までスペイン・バルセロナで開催されたthe ESMO World Congress on Gastrointestinal Cancer 2019(WCGC 2019)にてファーストライン治療後に病勢進行(PD)した切除不能/再発胃・胃食道接合部がん患者に対するセカンドライン治療としての抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+ラムシルマブ(商品名サイラムザ;サイラムザ)+パクリタキセル併用療法の有効性、安全性を検証した第1/2相試験(UMIN000025947)の結果が愛知県がんセンターの門脇重憲氏らにより公表された。

本試験は、ファーストライン治療後に病勢進行(PD)した切除不能/再発胃・胃食道接合部がん患者に対して4週を1サイクルとして1,15日目にオプジーボ3mg/kg+1,15日目にサイラムザ8mg/kg+1,8,15日目にパクリタキセル80mg/m2併用療法を投与し、主要評価項目として第1相段階で用量制限毒性(DLT)、第2相段階で6ヶ月無増悪生存率(PFS)を検証した国内第1/2相試験である。

本試験の結果、第1相段階における主要評価項目である用量制限毒性(DLT)は2人の患者で確認され、試験開始前設定基準以下のため第2相試験推奨用量(RPIID)として決定した。

第2相段階におけるフォローアップ期間中央値16.8ヶ月時点における主要評価項目である6ヶ月無増悪生存率(PFS)は46.4%(95%信頼区間:36.4%-55.8%)を示し、閾値として設定された35%を超え、主要評価項目を達成した。また、無増悪生存期間(PFS)中央値は5.1ヶ月(95%信頼区間:4.5-6.5ヶ月)を示した。

免疫染色による腫瘍細胞における陽性率(TPS;Tumor Proportion Score)別の6ヶ月無増悪生存率(PFS)は陰性群48.5%(95%信頼区間:30.8%-64.1%)に対して陽性群66.7%(95%信頼区間:19.5%-90.4%)を示した。

その他評価項目である客観的奏効率(ORR)は37.2%(95%信頼区間:23.0%-53.5%)を示し、免疫染色による腫瘍細胞における陽性率(TPS)別の客観的奏効率(ORR)は陰性群36.4%(80%信頼区間:20.4%-54.9%)に対して陽性群66.7%(95%信頼区間:22.3%-95.7%)を示した。

一方の安全性として、グレード3以上の有害事象(AE)発症率は93.0%(N=40人)、グレード3以上の免疫関連有害事象(irAE)発症率は32.6%(N=14人)を示した。なお、治療関連有害事象(TRAE)により死亡は1人の患者で確認され、その原因は血小板減少性であった。

Multicenter phase I/II study of nivolumab combined with paclitaxel plus ramucirumab as the second-line treatment in patients with advanced gastric cancer(World Congress on Gastrointestinal Cancer 2019 Abstract #SO-001)
ニュース 胃がん タキソール

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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