・セカンドライン治療としてのオプジーボ+サイラムザ+パクリタキセル併用療法の有効性・安全性を検証
・主要評価項目である6ヶ月無増悪生存率は46.4%を示し、閾値として設定された35%を超えた
2019年7月3~6日までスペイン・バルセロナで開催されたthe ESMO World Congress on Gastrointestinal Cancer 2019(WCGC 2019)にてファーストライン治療後に病勢進行(PD)した切除不能/再発胃・胃食道接合部がん患者に対するセカンドライン治療としての抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+ラムシルマブ(商品名サイラムザ;サイラムザ)+パクリタキセル併用療法の有効性、安全性を検証した第1/2相試験(UMIN000025947)の結果が愛知県がんセンターの門脇重憲氏らにより公表された。
本試験は、ファーストライン治療後に病勢進行(PD)した切除不能/再発胃・胃食道接合部がん患者に対して4週を1サイクルとして1,15日目にオプジーボ3mg/kg+1,15日目にサイラムザ8mg/kg+1,8,15日目にパクリタキセル80mg/m2併用療法を投与し、主要評価項目として第1相段階で用量制限毒性(DLT)、第2相段階で6ヶ月無増悪生存率(PFS)を検証した国内第1/2相試験である。
本試験の結果、第1相段階における主要評価項目である用量制限毒性(DLT)は2人の患者で確認され、試験開始前設定基準以下のため第2相試験推奨用量(RPIID)として決定した。
第2相段階におけるフォローアップ期間中央値16.8ヶ月時点における主要評価項目である6ヶ月無増悪生存率(PFS)は46.4%(95%信頼区間:36.4%-55.8%)を示し、閾値として設定された35%を超え、主要評価項目を達成した。また、無増悪生存期間(PFS)中央値は5.1ヶ月(95%信頼区間:4.5-6.5ヶ月)を示した。
免疫染色による腫瘍細胞における陽性率(TPS;Tumor Proportion Score)別の6ヶ月無増悪生存率(PFS)は陰性群48.5%(95%信頼区間:30.8%-64.1%)に対して陽性群66.7%(95%信頼区間:19.5%-90.4%)を示した。
その他評価項目である客観的奏効率(ORR)は37.2%(95%信頼区間:23.0%-53.5%)を示し、免疫染色による腫瘍細胞における陽性率(TPS)別の客観的奏効率(ORR)は陰性群36.4%(80%信頼区間:20.4%-54.9%)に対して陽性群66.7%(95%信頼区間:22.3%-95.7%)を示した。
一方の安全性として、グレード3以上の有害事象(AE)発症率は93.0%(N=40人)、グレード3以上の免疫関連有害事象(irAE)発症率は32.6%(N=14人)を示した。なお、治療関連有害事象(TRAE)により死亡は1人の患者で確認され、その原因は血小板減少性であった。
Multicenter phase I/II study of nivolumab combined with paclitaxel plus ramucirumab as the second-line treatment in patients with advanced gastric cancer(World Congress on Gastrointestinal Cancer 2019 Abstract #SO-001)