治療歴のある再発難治性辺縁帯リンパ腫患者に対するumbralisib単剤療法、客観的奏効率は52%AACR 2019


  • [公開日]2019.04.12
  • [最終更新日]2019.04.11
この記事の3つのポイント
・治療歴のある再発難治性辺縁帯リンパ腫患者が対象の第2b相試験
・umbralisib単剤療法有効性安全性を検証
・客観的奏効率は52%、臨床的有用率は88%を示した

2019年3月29日より4月3日まで米国・アトランタで開催されている第110回米国がん学会議(AACR2019)にて治療歴のある再発難治性辺縁帯リンパ腫(MZL)患者に対する経口PI3K阻害薬であるumbralisib(TGR-1202)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2b相試験の結果がMD Anderson Cancer CenterのNathan H. Fowler氏らにより公表された。

本試験は、治療歴のある再発難治性辺縁帯リンパ腫(MZL)患者に対して1日1回umbralisib 800mg単剤療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、無増悪生存期間PFS)、安全性などを検証した多施設オープンラベルフェーズ2b試験である。

本試験の有効性評価が可能であった42人の患者群(安全性評価は69人)の背景は下記の通りである。年齢中央値は67歳(34-81歳)。性別は女性60%(N=25人)。前治療歴中央値は2レジメン(1-6レジメン)。前治療歴の種類はリツキシマブ単剤療法17%(N=7人)、リツキシマブ+免疫化学療法76%(N=32人)。辺縁帯リンパ腫(MZL)の種類は節外性辺縁帯リンパ腫55%(N=23人)、節性辺縁帯リンパ腫29%(N=12人)、脾辺縁帯リンパ腫17%(N=7人)。

以上の背景を有する患者に対する追跡期間中央値12.5ヶ月(8.3-18.5ヶ月)時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は52%、臨床的有用率(CBR)は88%を示した。なお、奏効の内訳としては完全奏効(CR)19%、部分奏効(PR)33%、病勢安定SD)36%であった。なお、辺縁帯リンパ腫(MZL)の種類別の客観的奏効率(ORR)は節外性辺縁帯リンパ腫57%、節性辺縁帯リンパ腫42%、脾辺縁帯リンパ腫43%であった。

一方の安全性として、最も多くの患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は下痢、吐き気、倦怠感、AST上昇、ALT上昇、頭痛などであった。また、治療関連有害事象(TRAE)により死亡した患者は0人、減量した患者は6人であった。

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