・第2世代CAR-T細胞であるICasM28z胸腔内投与療法の安全性を検証
・抗PD-1抗体薬投与歴のある11人の患者で、奏効率72%を示した
2019年3月29日より4月3日まで米国・アトランタで開催された第110回米国癌学会議(AACR2019)にて悪性胸膜中皮腫、乳がん、肺がんの胸膜への転移などの悪性胸膜疾患(MPD)患者に対するメソテリンを標的としたCD28共刺激の第2世代CAR-T細胞であるICasM28z胸腔内投与療法の安全性を検証した第1相試験の結果がMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのPrasad S. Adusumilli氏らにより公表された。
本試験(NCT02414269)は、悪性胸膜疾患(MPD)患者(N=21人)に対してICasM28z胸腔内投与を用量別に6のコーホートに分けて投与し、奏効率、安全性などを検証した第1相試験である。なお、本試験に登録された患者21人の内15人に対して抗PD-1抗体薬が投与されている。
本試験の抗PD-1抗体薬投与歴のある11人の患者における結果、奏効率は72%(N=8/11人)を示した。なお、奏効の内訳としては完全奏効(CR)2人、部分奏効(PR)6人であり、奏効を示した8人の内6人で奏効が持続している。
一方の安全性として、グレード2以上のCAR-T細胞関連有害事象(AE)は確認されなかった。また、全グレードのCAR-T細胞関連有害事象(AE)としてはグレード1のサイトカイン放出症候群が確認されたものの、神経毒性はなく、忍容性に問題がなかった。