【9月27日(金)/ 東京・日本橋】小細胞肺がんセミナー参加申込受付中!

進行性悪性胸膜中皮腫患者に対する維持療法としてのdefactinib、プラセボに比べて無増悪生存期間、全生存期間を統計学的有意に改善せずJournal of Clinical Oncologyより


  • [公開日]2019.04.01
  • [最終更新日]2019.04.09
この記事の3つのポイント
・進行性悪性胸膜中皮腫患者が対象の第2相試験
ファーストライン治療後の維持療法としてのdefactinibの有効性安全性を比較検証
プラセボに比べて無増悪生存期間全生存期間を改善しなかった

2019年2月20日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて進行性悪性胸膜中皮腫(MPN)患者に対するファーストライン治療後の維持療法としてのFAK阻害薬であるdefactinib(VS-6063)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第2相のCOMMAND試験(NCT01870609)の結果がUniversity of LeicesterのDean A. Fennell氏らにより公表された。

COMMAND試験とは、進行性悪性胸膜中皮腫(MPN)患者(N=344人)に対するファーストライン治療後の維持療法として1日2回defactinib 400mg単剤療法を投与する群(N=173人)、またはプラセボ単剤療法を投与する群(N=171人)に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、副次評価項目として客観的奏効率ORR)、安全性などを比較検証した国際多施設共同ランダム二重盲検下の第2相試験である。

本試験が実施された背景として、悪性胸膜中皮腫(MPN)の予後は不良であり、かつ治療選択肢も乏しいためである。現在の悪性胸膜中皮腫(MPN)の標準治療としてペメトレキセド+シスプラチン併用療法が唯一認められているが、無増悪生存期間(PFS)中央値は約6ヶ月程である。また、近年ベバシズマブ+化学療法がペメトレキセド+シスプラチン併用療法よりも無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)において良好な成績を示すなど、治療成績が向上してきている。以上の背景より、基礎試験にて悪性胸膜中皮腫(MPN)に対して有用性が確認されているFAK阻害薬であるdefactinibの有用性が本試験で確認された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。

年齢中央値

defactinib群で67.7歳(45-87歳)
プラセボ群67.5歳(33-83歳)

性別

defactinib群で男性83.8%、女性16.2%
プラセボ群で男性83.6%、女性16.4%

人種

defactinib群で白人86.1%、アジア人12.7%、黒人0.6%、その他0.6%
プラセボ群で白人87.1%、アジア人11.7%、黒人0.6%、その他0.6%

Karnofsky Performance Status

defactinib群でスコア70が3.5%、スコア80が28.3%、スコア90が47.4%、スコア100が20.8%
プラセボ群でスコア70が3.5%、スコア80が28.1%、スコア90が49.1%、スコア100が19.3%

TNM分類

defactinib群でステージIが1.2%、ステージIAが2.3%、ステージIBが6.4%、ステージIIが15.6%、ステージIIIが38.2%、ステージIVが27.2%
プラセボ群でステージIが1.2%、ステージIAが4.7%、ステージIBが5.8%、ステージIIが18.1%、ステージIIIが33.9%、ステージIVが28.7%。

以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はdefactinib群で4.1ヶ月(95%信頼区間:2.9-5.6ヶ月)に対してプラセボ群で4.0ヶ月(95%信頼区間:2.9-4.2ヶ月)を示した。

また、もう1つの主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はdefactinib群で12.7ヶ月(95%信頼区間:9.1-21ヶ月)に対してプラセボ群で13.6ヶ月(95%信頼区間:9.6-21.1ヶ月)を示した。

一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率はdefactinib群69.4%(N=120/161人)に対してプラセボ群41.5%(N=71/171人)、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率はdefactinib群18.5%(N=32/161人)に対してプラセボ群11.1%(N=19/171人)、治療関連有害事象(TRAE)による治療中止率はdefactinib群12.1%(N=21/161人)に対してプラセボ群4.7%(N=8/171人)を示した。なお、最も多くのdefactinib群の患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は吐き気、下痢、疲労、呼吸困難、食欲減退であった。

以上のCOMMAND試験の結果よりDean A. Fennell氏らは以下のように結論を述べている。”進行性悪性胸膜中皮腫(MPN)患者に対する維持療法としてのFAK阻害薬であるdefactinib単剤療法は、プラセボに比べて無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)も改善しませんでした。以上の試験の結果より、本治療は進行性悪性胸膜中皮腫(MPN)患者に対する維持療法として推奨できない結果になりました。”

Primary Results from SAUL, a Multinational Single-arm Safety Study of Atezolizumab Therapy for Locally Advanced or Metastatic Urothelial or Nonurothelial Carcinoma of the Urinary Tract(Journal of Clinical Oncology, Published online February 20, 2019.)

×

この記事に利益相反はありません。