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高リスク局所進行性前立腺がん患者に対する標準治療+ドセタキセル追加療法、死亡リスクを31%減少Journal of Clinical Oncologyより


  • [公開日]2019.03.25
  • [最終更新日]2019.03.25
この記事の3つのポイント
標準治療+術後化学療法としてのドセタキセル追加療法の有効性安全性を比較検証
主要評価項目全生存期間中央値は両群間未到達、AS+RT+CT群で死亡リスクを31%減少
副次評価項目無病生存期間DFS)なども改善した

2019年3月12日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて高リスク局所進行性前立腺がん患者に対する長期アンドロゲン抑制療法(AS;androgen suppression)+放射線治療(RT)+術後化学療法としてのドセタキセル追加療法(CT)の有効性、安全性を比較検証した第III相のNRG Oncology RTOG 0521試験(NCT00288080)の結果がSutter Medical Group and Sutter Cancer CentersのSeth A. Rosenthal氏らにより公表された。

NRG Oncology RTOG 0521試験とは、高リスク局所進行性前立腺がん患者(N=563人)に対して長期アンドロゲン抑制療法+放射線治療を投与する群(N=281人)、または長期アンドロゲン抑制療法+放射線治療+術後化学療法としてドセタキセル追加療法を投与する群(N=282人)に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として無病生存期間(DFS)などを比較検証したオープンラベルランダム化の第III相試験である。

本試験に登録された患者背景は下記の通り。

年齢中央値
AS+RT群=66歳(47-83歳)
AS+RT+CT群=66歳(46-83歳)

Performance Status
AS+RT群=スコア0が93.2%(N=262人)、スコア1が6.8%(N=19人)
AS+RT+CT群=スコア0が89.7%(N=253人)、スコア1が10.3%(N=29人)

PSA中央値
AS+RT群=14.09ng/ml(1.2-145)
AS+RT+CT群=16.385ng/ml(0.7-135.4)

グリソンスコア
AS+RT群=スコア7が15.7%(N=44人)スコア8が31.3%(N=88人)、スコア9が47.7%(N=134人)、スコア10が5.3%(N=15人)
AS+RT+CT群=スコア7が16.3%(N=46人)、スコア8が31.2%(N=88人)、スコア9が46.5%(N=131人)、スコア10が6.0%(N=17人)

TNM分類におけるT因子
AS+RT群=T1が17.1%(N=48人)、T2が57.3%(N=161人)、T3が23.8%(N=67人)、T4が1.8%(N=5人)
AS+RT+CT群=T1が20.2%(N=57人)、T2が51.1%(N=144人)、T3が27.0%(N=76人)、T4が1.8%(N=5人)

TNM分類におけるN因子
AS+RT群=N0が99.3%(N=279人)、NXが0.7%(N=2人)
AS+RT+CT群=N0が98.9%(N=279人)、NXが1.1%(N=3人)

TNM分類におけるM因子
AS+RT群=M0が100%(N=281人)
AS+RT+CT群でM0が100%(N=282人)

なお、両群間で患者背景に大きな偏りはなかった。

以上の背景を有する患者に対する本試験の追跡期間中央値5.7年、トータル死亡イベント数102件時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である全生存期間(OS)中央値は両群間未到達、AS+RT+CT群で死亡のリスクを31%(HR:0.69,95%信頼区間:0.49-0.97,P=0.034)減少した。また、4年全生存率(OS)はAS+RT群で88.7%(95%信頼区間:84.3%-91.9%)に対してAS+RT+CT群で93.3%(95%信頼区間:89.6%-95.7%)、6年全生存率(OS)はAS+RT群で80.6%(95%信頼区間:75.2%-85.0%)に対してAS+RT+CT群で86.0%(95%信頼区間:80.8%-89.9%)を示した。

副次評価項目である無病生存期間(DFS)中央値はAS+RT群6.9年(95%信頼区間:5.8年-未到達)に対してAS+RT+CT群8.5年(95%信頼区間:6.8-12.7年)、AS+RT+CT群で病勢進行、死亡などのリスクを24%(HR:0.76,95%信頼区間:0.58-0.99,P=0.043)減少した。また、6年無病生存率(DFS)はAS+RT群で54.9%(95%信頼区間:48.2%-61.0%)に対してAS+RT+CT群で65.4%(95%信頼区間:58.9%-71.2%)を示した。

がん特異生存率(DSS)中央値は両群間で未到達、AS+RT+CT群でがん死亡のリスクを35%(HR:0.65,95%信頼区間:0.34-1.24,P=0.18)減少した。また、6年がん特異生存率(DSS)はAS+RT群で92.0%(95%信頼区間:87.7%-94.9%)に対してAS+RT+CT群で93.4%(95%信頼区間:89.1%-96.0%)を示した。

一方の安全性として、治療関連有害事象(TRAE)発症率はAS+RT群でグレード2が53.4%、グレード3が20.6%、グレード4が1.4%に対してAS+RT+CT群でグレード2が28.7%、グレード3が37.9%、グレード4が25.9%、グレード5が0.7%を示した。また、血液関連治療関連有害事象(TRAE)はAS+RT+CT群で多く確認されたが、消化器系、泌尿生殖器系の治療関連有害事象(TRAE)は両群間でほぼ同等であった。なお、本試験中には両群間で予期せぬ治療関連有害事象(TRAE)は確認されなかった。

以上のNRG Oncology RTOG 0521試験の結果よりSeth A. Rosenthal氏らは以下のように結論を述べている。”高リスク局所進行性前立腺がん患者に対する標準治療である長期アンドロゲン抑制療法+放射線治療に対するドセタキセルの上乗せは、全生存期間(OS)、無病生存期間(DFS)などを改善し、本患者の治療選択肢になり得る可能性が示唆されました。”

Effect of Chemotherapy With Docetaxel With Androgen Suppression and Radiotherapy for Localized High-Risk Prostate Cancer: The Randomized Phase III NRG Oncology RTOG 0521 Trial(Journal of Clinical Oncology, Published online:March 12, 2019.)

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