この記事の3つのポイント
・PROPHYLOCHIP試験とは、腹膜播種転移を発症する可能性の高いハイリスク大腸がん患者に対する腹腔鏡下によるセカンドルック手術+腹腔内温熱化学療法と経過観察の有効性を比較検証した第III相試験である
・本試験の主要評価項目である3年無病生存率(DFS rate)はセカンドルック手術+腹腔内温熱化学療法群44%に対して経過観察群51%、両群間で統計学的有意な差は確認されなかった
・本試験の副次評価項目である3年全生存率(OS rate)はセカンドルック手術+腹腔内温熱化学療法群79%に対して経過観察群80%、両群間で統計学的有意な差は確認されなかった

2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)にて、腹膜播種転移を発症する可能性の高いハイリスク大腸がん患者に対するセカンドルック手術+腹腔内温熱化学療法(HIPEC)の経過観察に比べた有効性を検証した第III相のPROPHYLOCHIP試験(NTC01226394)の結果がInstitut Gustave Roussy・Diane Goere氏らにより公表された。

PROPHYLOCHIP試験とは、腹膜播種転移を発症する可能性の高いハイリスク大腸がん患者(N150人)に対して腹腔鏡下によるセカンドルック手術+腹腔内温熱化学療法を実施する群(N=71人)、経過観察を実施する群(N=79人)に無作為に振り分け、主要評価項目として3年無病生存率(DFS rate)、副次評価項目として全生存期間(OS)などを比較検証した多施設共同の第III相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値51ヶ月(47-55ヶ月)時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である3年無病生存率(DFS)はセカンドルック手術+腹腔内温熱化学療法群44%(95%信頼区間:33%-56%)に対して経過観察群51%(95%信頼区間:40%-62%)、両群間で統計学的有意な差は確認されなかった(P=0.75)。

なお、腹膜播種転移を発症した患者はセカンドルック手術+腹腔内温熱化学療法群32%(N=24人)、経過観察群33%(N=25人)であり、前者の2人の患者に対して完全切除+腹腔内温熱化学療法、後者の16人の患者に対して完全切除+腹腔内温熱化学療法が実施された。

副次評価項目である3年全生存率(OS rate)はセカンドルック手術+腹腔内温熱化学療法群79%(95%信頼区間:68%-87%)に対して経過観察群80%(95%信頼区間:69%-88%)、両群間で統計学的有意な差は確認されなかった。

以上のPROPHYLOCHIP試験の結果よりDiane Goere氏らは以下のように結論を述べている。”腹膜播種転移を発症する可能性の高いハイリスク大腸がん患者は高い確率で腹膜播種転移を発症するため、経過観察を継続する意義は高いです。しかしながら、セカンドルック手術+腹腔内温熱化学療法のような強力な治療は経過観察に比べて無病生存率(DFS rate)を統計学的有意に延長は示しませんでした。”

Results of a randomized phase 3 study evaluating the potential benefit of a second-look surgery plus HIPEC in patients at high risk of developing colorectal peritoneal metastases (PROPHYLOCHIP- NTC01226394).(ASCO 2018, Abstract No.3531)

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