この記事の3つのポイント
・再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者対象の第Ⅱ相のJULIET試験
・キムリアを投与し、客観的奏効率、奏効持続期間、全生存期間を検証
・キムリアは持続的で高率な奏効を示した
2018年12月1日より4日まで米国・サンディエゴで開催されている第60回米国血液学会(ASH)にて、再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者に対するCAR-T細胞医療であるCTL019(tisagenlecleucel;商品名キムリア;以下キムリア)の有効性を検証した第Ⅱ相のJULIET試験(NCT02445248)のフォローアップ期間中央値19ヶ月時点の結果がUniversity of Pennsylvania・Stephen J. Schuster氏により公表された。
JULIET試験とは、再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者に対してキムリアを投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、全生存期間(OS)を検証した多施設共同シングルアームの第Ⅱ相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は54%(95%信頼区間:43%-64%)を示した。また、客観的奏効率(ORR)の内訳は完全奏効(CR)40%、部分奏効(PR)13%を示した。
副次評価項目である奏効持続期間(DOR)中央値は未到達で、65歳以上/65歳未満の患者群でも同等であった。また、全生存期間(OS)中央値は11.1ヶ月(95%信頼区間:6.6ヶ月-未到達)を示し、完全奏効(CR)を達成した患者群における全生存期間(OS)中央値は未到達(95%信頼区間:21.0ヶ月-未到達)を示した。なお、12ヶ月全生存率(OS)は48%(95%信頼区間:38%-57%)、18ヶ月全生存率(OS)は43%(95%信頼区間:33%-53%)を示した。
一方の安全性として、グレード3/4の治療関連有害事象(TRAE)として血小板減少性34%、サイトカイン放出症候群(CRS)23%、感染症19%、発熱性好中球減少症15%、神経障害11%、腫瘍崩壊症候群2%が確認された。
JULIET試験の長期フォローアップ追跡の結果より、Stephen J. Schuster氏は以下のように結論を述べている。“再発難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対するCAR-T細胞医療キムリアは、持続的で高率な奏効を示しました。”
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