12月13日、厚生労働省 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会にて、「OncoGuide NCCオンコパネル システム」「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル」の2つの遺伝子パネル検査が了承された。これにより、早ければ2019年春に保険適応となる可能性が高い。なお、パネル検査とは、がん組織の複数の遺伝子を次世代シークエンサー(NGS)を用いて検査するものである。

自費診療から保険診療へ

今回了承された「NCCオンコパネル」は国立がん研究センターがシスメックス社と共同開発したパネル検査となり、がんに関連する126個を一度に調べることができる。2018年4月より、がんゲノム医療中核拠点病院を中心に先進医療として実施されていた。

一方「FoundationOne」はFDA(米国)では17の分子標的薬に対するコンパニオン診断薬であり、がんに関連する324個を一度に調べることができる。

昨今、がんの遺伝子変異にあわせた医療を行う「プレシジョン・メディシン」「ゲノム医療」といった言葉を聞くことが多くなったが、現在、遺伝子パネル検査を保険診療で受けることができず「オンコプライム」などの自由診療(自費)や「トーダイ・オンコパネル」のような先進医療B臨床研究(自費)や「スクラムジャパン」のような臨床試験(無償)などでしか受けられなかった。

今回の部会は「薬事承認」するための審議会であるため「了承」された場合は承認はほぼ確定的といえるが、保険適応については審議会の性質上は確定的といい難い。しかし、関係者によると保険適応とされる可能性は高いとのことである。

使用できる条件

しかしながら、すべてのがん患者が対象というわけではなく、以下の条件がつく。

1.施設要件
がんゲノム医療中核拠点病院(11施設)
がんゲノム医療連携病院(135施設)

2.対象患者
原発不明がん
標準治療のない希少がん
標準治療が終了、または終了が見込まれる固形がん、且つパフォーマンスステータスPS)0又は1(日常生活に支障のない患者)

したがって、全がん患者の最大1%、具体的には年間4000~6000人のみが対象となる。

パネル検査しても治療につながるのは10%程度

パネル検査にて遺伝子変異が見つかっても、治療薬剤がないと新たな治療には結びつかない。

米国のメモリアル・スローン・ケタリングセンターが開発したMSK-IMPACTというパネル検査を用いた11,369名の結果にて、治療薬につながる遺伝子異常の検出率は37%、遺伝子が適合した臨床試験に参加できた割合(治療薬が使用できた割合)は11%と低い。

今後、遺伝子変異検査により様々な薬剤を使用できるバスケット・トライアルやアンブレラ・バスケット・トライアルのような新たな臨床試験の手法が広く実施されることにより、この割合が高くなることを期待する。

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