2018年9月4日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて60歳以上の未治療古典的ホジキンリンパ腫患者に対する抗CD30モノクローナル抗体薬であるブレンツキシマブベドチン(商品名アドセトリス;以下アドセトリス)単剤療法後のAVD療法(ドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン)、コンソリデーション治療としてのアドセトリス単剤療法の有効性を検証した第II相試験(NCT01476410)の結果がRutgers Cancer Institute of New Jersey・Andrew M. Evens氏らにより公表された。

本試験は、60歳以上の未治療古典的ホジキンリンパ腫患者に対して21日を1サイクルとして1日目に導入療法としてアドセトリス1.8mg/kg単剤療法を3サイクル投与後、継続治療としてAVD療法を6サイクル投与後、地固め療法としてアドセトリス単剤療法を6サイクル投与し、主要評価項目としてAVD療法終了時点における完全奏効率(CR)、副次評価項目として全奏効率(ORR)、2年無増悪生存率PFS)、2年全生存率(OS)などを検証した多施設共同の第II相試験である。なお、完全奏効率(CR)は70%以上を達成することが本試験で期待されている。

本試験が実施された背景としては、60歳以上の未治療古典的ホジキンリンパ腫患者における2-3年無増悪生存率(PFS)は50%、55%、2-3年全生存率(OS)は68%、78%程と他の患者群に比べて良好でないためである。そして、60歳以上の未治療古典的ホジキンリンパ腫患者の予後が不良である原因は明らかになっていないが、合併症、Performance Status不良、化学療法に対する忍容性がない等の原因が考えられている。そこで、高齢者に対しても若年者同様の有効性を示した抗CD30モノクローナル抗体薬であるアドセトリスを用いた本試験が実施された。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値69歳(60-88歳)。性別は男性63%。ECOG Performance Statusはスコア1が81%。臨床病期ステージIIIまたはIVが81%。国際予後スコア(IPS)は3から7。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

主要評価項目であるアドセトリス単剤療法導入終了時点における全奏効率(ORR)は82%(N=18人)、完全奏効率(CR)は36%(N=8人)、AVD療法終了時点における全奏効率(ORR)は95%(N=40人)、完全奏効率(CR)は90%(N=34人)を示した。また、副次評価項目である2年無イベント生存率(EFS)は80%、2年無増悪生存率(PFS)84%、全生存率(OS)は93%を示した。

一方の安全性として、グレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)を発症した患者は42%(N=20人)で、主な治療関連有害事象(TRAE)は下記の通りである。好中球減少症44%、発熱性好中球減少症8%、肺炎8%、下痢6%。なお、グレード2の末梢神経障害を発症した患者は44%であった。

以上の第II相試験の結果よりAndrew M. Evens氏らは以下のように結論を述べている。”60歳以上の未治療古典的ホジキンリンパ腫患者に対するアドセトリス単剤療法後のAVD療法は忍容性があり、主要評価項目である完全奏効率(CR)も期待できる結果でした。”

Multicenter Phase II Study of Sequential Brentuximab Vedotin and Doxorubicin, Vinblastine, and Dacarbazine Chemotherapy for Older Patients With Untreated Classical Hodgkin Lymphoma(DOI: 10.1200/JCO.2018.79.0139 Journal of Clinical Oncology)

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