この記事の3つのポイント
・食道がん二次治療にて、PD-L1陽性であればキイトルーダが有効
・ドセタキセル、パクリタキセル、イリノテカンと比較した第3相試験
・生存期間が延長、詳細は今後関連学会にて発表予定
2018年11月14日、メルク・アンド・カンパニー社のプレスリリースにて進行性または転移性食道がんまたは食道胃接合部がん患者に対する2次治療としての抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)単剤療法の有効性を検証した第III相のKEYNOTE-181試験(NCT02564263)の結果が公表された。詳細な結果は、今後、関連学会にて発表される予定である。
KEYNOTE-181試験とは、進行性または転移性食道がんまたは食道胃接合部がん患者(N=600人)に対する2次治療として3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg単剤療法を投与する群、または主治医選択により化学療法(ドセタキセル、パクリタキセル、またはイリノテカン)を投与する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目としてPD-L1陽性(CPS ≥10)患者群における全生存期間(OS)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)、安全性などを比較検証した第III相試験である。
本試験の結果、主要評価項目であるPD-L1陽性(CPS ≥10)患者群における全生存期間(OS)は化学療法群に比べてキイトルーダ単剤療法群で統計学有意に延長し、主要評価項目を達成した。なお、ITT(Intention To Treat)群、扁平上皮がん群における全生存期間(OS)については両群間で統計学有意な差は確認されなかった。
一方の安全性として、本試験で確認された治療関連有害事象(TRAE)は既存のキイトルーダで確認されている安全性プロファイルと一致しており、本試験で新たに確認された治療関連有害事象(TRAE)はなかった。
以上のKEYNOTE-181試験の結果より、メルク・アンド・カンパニー社・グローバル臨床開発責任者でチーフメディカルオフィサーである Roy Baynes氏は以下のように述べている。”PD-L1陽性(CPS ≥10)の進行性または転移性胃がんまたは食道胃接合部腺がん患者に対する2次治療としてキイトルーダは、現在の標準化学療法に比べて全生存期間(OS)を統計学的有意に改善しました。引き続き、進行性食道がんに対するファーストライン治療としてのキイトルーダ単剤療法の有効性を検証している第III相のKEYNOTE-590試験をはじめ、他の治験の開発を進行していきます。”
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