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FGFR2融合遺伝子変異を有する進行性胆管がん患者に対するFGFR阻害薬ペミガチニブ単剤療法、客観的奏効率40%を示す

[公開日] 2018.10.28[最終更新日] 2018.10.28

この記事の3つのポイント ・FGFR2陽性胆管がん患者に対するFGFR2阻害薬の可能性 ・FGFR2遺伝子変異陽性であれば奏効率40% ・日本では治験が実施中
2018年10月19日~23日までドイツ・ミュンヘンで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)にて進行性転移性または切除不能胆管がん患者に対するFGFR阻害薬であるペミガチニブ(INCB54828)単剤療法の有効性を検証した第2相のFIGHT-202試験(NCT02924376)の結果が公表された。 FIGHT-202試験とは、少なくとも1レジメン以上の前治療歴のある18歳以上の進行性転移性または切除不能胆管がん患者を下記3コホート(群)に分け、21日を1サイクルとして1日1回ペミガチニブ単剤療法を2週間投与後1週間休薬、この投与をサイクルを病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)を発症するまで継続投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)などを検証したオープンラベル多施設共同の第2相試験である。 コーホートA(N=47人):FGFR2融合遺伝子変異を有する群 コーホートB(N=22人):FGF/FGFR以外の遺伝子変異を有する群 コーホートC(N=18人):FGFR2融合遺伝子変異を有しない群 上記患者群に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である客観的奏効率(ORR)はコーホートAで40%(95%信頼区間:26.4%-55.7%)、コーホートBで0%(95%信頼区間:0.0%-15.4%)、コーホートCで0%(95%信頼区間:0.0%-18.5%)を示した。 なお、奏効の内訳としてはコーホートAで部分奏効(PR)40%(N=19人)、病勢安定(SD)45%(N=21人)、コーホートBで部分奏効(PR)0%、病勢安定(SD)46%(N=10人)、コーホートCで部分奏効(PR)0%、病勢安定(SD)22%(N=4人)を示した。 副次評価項目である奏効持続期間(DOR)中央値はコーホートAで未到達(95%信頼区間:6.93ヶ月-未到達)、コーホートBで未到達(95%信頼区間:未到達)、コーホートCで未到達(95%信頼区間:未到達)。病勢コントロール率(DCR)はコーホートAで85%(95%信頼区間:71.7%-93.8%)、コーホートBで46%(95%信頼区間:24.4%-67.8%)、コーホートCで22%(95%信頼区間:6.4%-47.6%)を示した。 また、無増悪生存期間(PFS)中央値はコーホートAで9.2ヶ月(95%信頼区間:6.44ヶ月-未到達)、コーホートBで2.1ヶ月(95%信頼区間:1.18-6.80ヶ月)、コーホートCで1.68ヶ月(95%信頼区間:1.38-1.84ヶ月)。全生存期間(OS)中央値はコーホートAで15.8ヶ月、コーホートBで6.8ヶ月、コーホートCで4.0ヶ月。 一方の安全性として、ペミガチニブ単剤療法により最も多くの患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率は下記の通りである。低リン酸血症61%、脱毛症42%、下痢39%、食欲減退37%、疲労36%。また、 グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は低リン酸血症14%、低ナトリウム血症8%、腹痛7%、および関節痛7%。 なお、5人の患者で致死的な転帰を有する治療関連有害事象(TRAE)を発症したが、そのいずれも治験薬に関連していなかった。 以上のFIGHT-202試験の結果を受けて、Institut de Cancérologie Gustave Roussy・Antoine Hollebecque氏は以下のようにコメントを述べている。”予後が非常に悪い進行性胆管がん患者さんに対して新しい治療選択肢を提供できることを非常に嬉しく思います。” 文:山田 創 & 可知 健太
ニュース 胆道がん NCT02924376

3Hメディソリューション株式会社 執行役員 可知 健太

オンコロジー領域の臨床開発に携わった後、2015年にがん情報サイト「オンコロ」を立ち上げ、2018年に希少疾患情報サイト「レアズ」を立ち上げる。一方で、治験のプロジェクトマネジメント業務、臨床試験支援システム、医療機器プログラム開発、リアルワールドデータネットワーク網の構築等のコンサルテーションに従事。理学修士。

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