この記事の3つのポイント
・障害を有する女性の子宮頸がん検診率を検証した試験
・韓国の国民健康情報データベースをもとに障害の種類などの因子別に検証
・韓国では子宮頸がん検診は無償にも関わらず、健常者に比べ検診率が低い

2018年8月3日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて健常者と比べた障害を有する女性の子宮頸がん検診の受診率を韓国の国民健康情報データベース(NHID)に基づき検証した試験の結果がCollege of Medicine/Graduate School of Health Science Business Convergence・Jong Hyock Park氏らにより公表された。

本試験では、2006年より2015年韓国の国民健康情報データベース(NHID)に登録されている約560万人から780万人を対象に、障害の有無、種類、重症度などの因子別で子宮頸がん検診の受診率を検証した試験である。

なお、障害の種類は身体、視覚、聴覚、言語、知的、脳損傷、自閉症、精神、腎機能障害、肝機能障害、肺機能障害、心臓機能障害、顔面障害、オストミー、てんかん、障害の重症度は1から6の6段階で1から3を重度、3から4を中等度として定義している。

本試験の結果、障害を有する女性における子宮頸がん検診の受診率は2006年で20.8%であったのに対して2015年で42.1%と21.3%増加した。一方、健常女性における子宮頸がん検診の受診率は2006年で21.6%であったのに対して2015年で53.5%と+31.9%増加した。以上のように、両群間で子宮頸がん検診の受診率は増加するも、健常者に比べて障碍者でその増加率は低率であった(OR:0.71,95% 信頼区間:0.71-0.72)。

重症度別の子宮頸がん検診の受診率は中等度障碍者で2006年が23.6%であったのに対して2015年で53.2%と+29.6%増加した。一方、高度障碍者では2006年が15.4%であったのに対して2015年で30.6%と+15.2%増加した。以上のように、中等度障碍者に比べて高度障碍者でその増加率は低率であり、特に最も重度の高いグレード1の障碍者では2006年から2015年でわずか+12.0%(8.5%から20.5%)であった。

また、障害種類別の子宮頸がん検診の受診率は増加率の多い順に視覚障害+28.1%(22.2%から50.3%)、聴覚障害+27.7%(21.2%から48.9%)、身体的障害+27.5%(22.9%から51.4%)、顔面障害+26.8%(21.8%から48.4%)であった。一方、増加率の低い順に知的障害+11.2%(10.1%から21.3%)、精神障害+14.8%(13.2%から28.0%)、脳損傷+17.3%(13.3%ら30.6%)であった。

以上の試験結果よりJong Hyock Park氏らは以下のように結論を述べている。”子宮頸がんスクリーニング検査は無償で提供されているにも関わらず、健常者に比べて障碍者の受診率は低率、特に重症度の高い障碍者、知的障害、精神障害を有する障害者でその傾向は顕著です。”

Disparities in Cervical Cancer Screening Among Women With Disabilities: A National Database Study in South Korea(Journal of Clinical Oncology, https://doi.org/10.1200/JCO.2018.77.7912)

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