進行性非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対する一次治療としての抗PD-L1抗体薬テセントリク+化学療法、無増悪生存期間(PFS)を統計学有意に延長する


  • [公開日]2018.07.23
  • [最終更新日]2019.02.15
この記事の3つのポイント
・IMpower132試験とは、進行性非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対する一次治療としてテセントリクペメトレキセドシスプラチンまたはカルボプラチン併用療法を投与する群、またはペメトレキセド+シスプラチンまたはカルボプラチン併用療法の有効性を比較検証した第III相試験である
・本試験の主要評価項目である無増悪生存期間PFS)は化学療法群に比べてテセントリク+化学療法群で統計学的有意に改善した
・本試験のもう一つの主要評価項目である全生存期間OS)は本解析時点で統計学的有意な差は確認されなかった

2018年7月19日、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社のプレスリリースにて進行性非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対する一次治療としての抗PD-L1抗体薬であるアテゾリズマブ(商品名テセントリク;以下テセントリク)+ペメトレキセド+シスプラチンまたはカルボプラチン併用療法の有効性を比較検証した第III相のIMpower132試験(NCT02657434)の初回解析の結果が公表された。

IMpower132試験とは、進行性非扁平上皮非小細胞肺がん患者(N=578人)に対する一次治療としてテセントリク+ペメトレキセド+シスプラチンまたはカルボプラチン併用療法を投与する群、またはペメトレキセド+シスプラチンまたはカルボプラチン併用療法を投与する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を比較検証した非盲検下の第III相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は化学療法群に比べてテセントリク+化学療法群で統計学的有意に改善した。なお、もう一つの主要評価項目である全生存期間(OS)は本解析時点で統計学的有意な差は確認されていない。

一方の安全性については、テセントリクの既存の臨床試験で確認されている安全性プロファイルと一致しており、本試験で新たに確認された治療関連有害事象(TRAE)はなかった。

以上のIMpower132試験の結果を受け、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社・最高医学責任者兼国際開発責任者であるSandra Horning氏は以下のように述べている。”IMpower132試験の結果より、進行性非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対する一次治療としてテセントリク+化学療法は病勢進行または死亡のリスクを化学療法単独に比べて統計学的有意に減少することが示されました。”

エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社のプレスリリースはこちら
https://www.roche.com/media/releases/med-cor-2018-07-19.htm

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