この記事の3つのポイント
・SPCG-13試験とは、根治的放射線治療後の中リスクまたは高リスク前立腺がん患者に対して術後化学療法としてドセタキセル単剤療法と経過観察の有効性を比較検証した第III相試験である
・本試験の主要評価項目である生化学的再発率はドセタキセル群31.0%に対して経過観察群は30.3%、両群間で統計学的有意な差は確認されなかった
安全性としては、ドセタキセル群で発熱好中球減少症(FN)を発症した患者は16.1%であった

2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)にて、術前アンドロゲン除去療法(ADT)治療歴のある根治的放射線治療後の中リスクまたは高リスク前立腺がん患者に対する術後化学療法としてのドセタキセルと経過観察の有効性を検証した第III相のSPCG-13試験(NCT00653848)の結果がTampere University Hospital・Pirkko-Liisa Irmeli Kellokumpu-Lehtinen氏らにより公表された。

SPCG-13試験とは、根治的放射線治療後の中リスクまたは高リスク前立腺がん患者(N=376人)に対して術後化学療法として3週間を1サイクルとして1日目にドセタキセル75mg/m2単剤療法を6サイクル投与する群(N=188人)、または経過観察をする群(N=188人)に無作為に振り分け、主要評価項目としてPSA前立腺特異抗原)最低値より2ng/ml以上の増加として定義された生化学的再発率を比較検証した第III相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値59.4ヶ月時点における結果、主要評価項目である生化学的再発率はドセタキセル群31.0%(N=58人)に対して経過観察群は30.3%(N=57人)、両群間で統計学的有意な差は確認されなかった(p=0.631)。

一方の安全性として、ドセタキセル群で発熱好中球減少症(FN)を発症した患者は16.1%であった。なお、本試験に参加した患者の内ドセタキセル群で20人、経過観察群で23人の計43人の患者で死亡が確認されているが、その内ドセタキセル群で9人、経過観察群で7人の患者の死亡原因は前立腺がんによるものであった。

以上のSPCG-13試験の結果よりPirkko-Liisa Irmeli Kellokumpu-Lehtinen氏らは以下のように結論を述べている。”術前アンドロゲン除去療法(ADT)歴のある根治的放射線治療後の中リスクまたは高リスク前立腺がん患者に対するドセタキセルによる術後化学療法は生化学的再発率を改善しませんでした。”

A randomized phase III trial between adjuvant docetaxel and surveillance after radical radiotherapy for intermediate and high risk prostate cancer: Results of SPCG-13 trial.(ASCO 2018, Abstract No.5000)

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