この記事の3つのポイント
・本試験は、少なくとも1レジメン以上の化学療法または12ヶ月以内の術後化学療法後に病勢進行またはシスプラチン不適格であるFGFR遺伝子異常を有する転移切除不能尿路上皮がん患者に対してFGFR阻害薬であるErdafitinib単剤療法有効性を検証した第II相試験である
・本試験の主要評価項目である客観的奏効率ORR)はErdafitinib投与により42%を示し、試験開始前に事前設定した主要評価項目の基準を達成した
・Erdafitinib投与に確認された主な治療関連有害事象(TRAE)は高リン酸血症、口内炎、下痢であった

2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)にて、FGFR遺伝子異常を有する転移性または切除不能尿路上皮がん患者に対するFGFR阻害薬であるErdafitinib(JNJ-42756493)単剤療法の有効性を検証した第II試験(NCT02365597)の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer Center・Arlene O. Siefker-Radtke氏らにより公表された。

本試験は、少なくとも1レジメン以上の化学療法または12ヶ月以内の術後化学療法後に病勢進行またはシスプラチン不適格であるFGFR遺伝子異常を有する転移性または切除不能尿路上皮がん患者(N=96人)に対して28日を1サイクルとして1日1回Erdafitinib 8~9mgを投与し、主要評価項目として完全奏効(CR)または部分奏効(PR)を達成した患者割合として定義された客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として全生存期間OS)などを検証した国際多施設共同非盲検下の第II相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は42%を示し、試験開始前に事前設定した主要評価項目の基準を達成した。なお、奏効率(RR)の内訳は完全奏効(CR)3%、部分奏効(PR)39%である。そして、客観的奏効率(ORR)を達成した患者の内70%(N=21人)で抗PD-1抗体薬などの免疫チェックポイント阻害薬の治療歴を有していた。

また、副次評価項目である全生存期間(OS)中央値は13.8ヶ月を示した。その他評価項目である完全奏効(CR)または部分奏効(PR)または病勢安定SD)を達成した患者割合として定義された病勢コントロール率DCR)は80%であった。

一方の安全性として、Erdafitinibで確認された治療関連有害事象(TRAE)は下記の通りである。グレード1または2の治療関連有害事象(TRAE)は高リン酸血症(N=72人 ※2人はグレード3以上)、口内炎(N=54人 ※9人はグレード3以上)、下痢(N=37人 ※4人はグレード3以上)であり、Erdafitinibの忍容性が示された。なお、10%の患者が投与中止に至ったがその主な理由は病勢進行によるものであった。

以上の第II相試験の結果よりArlene O. Siefker-Radtke氏らは以下のように結論を述べている。”化学療法に対して治療抵抗性を示したFGFR遺伝子異常を有する進行性尿路上皮がん患者に対するFGFR阻害薬であるErdafitinib単剤療法は高い奏効率を示し、副作用も管理可能でした。また、前治療として抗PD-1抗体薬などの免疫チェックポイント阻害薬が投与された患者に対しても期待のできる奏効率を示しました。”

2018 ASCO: Erdafitinib Shows Activity in FGFR3-Mutated Urothelial Cancer(The ASCO Post 2018.6.6, ASCO 2018, Abstract No.4503)

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