この記事の3つのポイント
・第III相のPETAL試験とは、アグレッシブB細胞またはT細胞リンパ腫患者に対してR-CHOP療法後にInterim PETを実施し、陽性患者に対して標準治療であるR-CHOP療法を投与する群または強化治療であるBurkitt療法を投与する群に分けて有効性を比較検証した試験である
・本試験の結果、主要評価項目である2年無イベント生存率(EFS rate)はPET陽性患者に対するR-CHOP療法42.0%に対してBurkitt療法31.6%であった
グレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)はR-CHOP療法よりもBurkitt療法の患者群で多く確認され、特に貧血、白血球減少症血小板減少症感染症、粘膜炎の発症が多かった

2018年5月11日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にてアグレッシブ非ホジキンリンパ腫患者に対するInterim PETの有効性を検証した第III相のPETAL試験(NCT00554164)の結果がUniversity Hospital Essen Hufelandstrasse 55・Ulrich Dührsen氏らにより公表された。

PETAL試験とは、濾胞性リンパ腫を含む新規にアグレッシブB細胞またはT細胞リンパ腫と診断された患者(N=862人)に対してR-CHOP療法(リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシンビンクリスチン+プレドニゾロン ※CD20陰性の場合はリツキシマブを投与しない)2サイクル投与後、Interim PETを実施してPET陽性患者に対して標準療法であるR-CHOP療法を6サイクル投与する群(N=52人)、強化療法であるBurkitt療法(シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+メトトレキサート+シタラビン+イホスファミド+エトポシド+ビンデシン+デキサメタゾン)を6サイクル投与する群(N=56人)、PET陰性患者に対してR-CHOP療法を4サイクル投与する群(N=129人)、R-CHOP療法を4サイクル投与後にリツキシマブ2サイクルを投与する群(N=126人)の4群に無作為に振り分け、主要評価項目として無イベント生存率(EFS rate)を比較検証した国際多施設共同の第III相試験である。

本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値60歳(18-80歳)、60歳以上の患者48.6%(N=419人)。性別は男性56.5%(N=487人)。ECOG Performances Statusはスコア2以上の患者8.9%(N=76人)。節外病変2個以上の患者30.1%(N=258人)。予後因子IPI分類は低リスク38.3%(N=329人)、低中リスク26.1%(N=224人)、高中リスク21.0%(N=180人)、高リスク14.6%(N=125人)。CD20発現率は陽性91.2%(N=786人)、陰性8.8%(N=76人)。

非ホジキンリンパ腫の種類はB細胞リンパ腫85.4%(N=736人)、T細胞リンパ腫8.8%(N=76人)。B細胞リンパ腫の内訳はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫82.7%(N=609人)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫5.7%(N=42人)、濾胞性リンパ腫(Grade 3)5.7%(N=42人)、その他5.3%(N=43人)。T細胞リンパ腫の内訳はALK陽性未分化大細胞リンパ腫27.6%(N=21人)、ALK陰性未分化大細胞リンパ腫17.1%(N=13人)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫23.7%(N=18人)、末梢性T細胞リンパ腫26.3%(N=20人)、その他5.3%(N=4人)。

上記背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。主要評価項目である2年無イベント生存率(EFS rate)はPET陽性患者(N=108人)に対するR-CHOP療法42.0%(95%信頼区間:28.2%-55.2%)に対してBurkitt療法31.6%(95%信頼区間:19.3%-44.6%)を示した(ハザード比:1.501,95%信頼区間:0.896-2.514,P=0.1229)。また、PET陰性患者(N=197人)に対するR-CHOP療法76.4%(95%信頼区間:68.0%-84.2%)に対してR-CHOP+R療法73.5%(95%信頼区間:64.8%-80.4%)を示した(ハザード比:1.048,95%信頼区間:0.684-1.606,P=0.8305)。

なお、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者における2年無イベント生存率(EFS rate)はPET陽性患者(N=63人)に対するR-CHOP療法52.4%(95%信頼区間:33.8%-68.0%)に対してBurkitt療法28.3%(95%信頼区間:13.4%-45.4%)を示した。また、PET陰性患者(N=255人)に対するR-CHOP療法78.9%(95%信頼区間:69.3%-85.9%)に対してR-CHOP+R療法72.6%(95%信頼区間:62.7%-80.3%)を示した。

一方の安全性としては、PET陽性患者に対するR-CHOP療法よりもBurkitt療法でグレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)は多く、特に多かったのは下記の通りである。貧血はR-CHOP療法25.0%(N=13人)に対してBurkitt療法44.6%(N=25人,P=0.440)、白血球減少症は59.6%(N=31人)に対して80.4%(N=45人,P=0.216)、血小板減少症は21.2%(N=11人)に対して58.9%(N=33人,P<0.001)、感染症は21.2%(N=11人)に対して50.0%(N=28人,P=0.0024)、粘膜炎は11.5%(N=6人)に対して37.5%(N=21人,P=0.0032)であった。

以上のPETAL試験の結果よりUlrich Dührsen氏らは以下のように結論を述べている。”アグレッシブ非ホジキンリンパ腫患者に対するR-CHOP療法後にInterim PETを実施し、その陽性率に応じて治療を変更する治療戦略は無イベント生存率(EFS rate)を改善せず、治療関連有害事象(TRAE)も増加する傾向が示されました。”

Positron Emission Tomography–Guided Therapy of Aggressive Non-Hodgkin Lymphomas (PETAL): A Multicenter, Randomized Phase III Trial(DOI: 10.1200/JCO.2017.76.8093 Journal of Clinical Oncology – published online before print May 11, 2018)

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