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新規T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)小児または若年成人患者に対する標準化学療法±アラノンジー併用療法、アラノンジー追加により無病生存率(DFS)を統計学有意に改善する

[公開日] 2018.05.25[最終更新日] 2018.05.25

この記事の3つのポイント ・T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)患者に対してアラノンジーを追加投与した群の4年無病生存率(DFS rate)は88.9%±2.2%に対してアラノンジーを追加投与しなかった群は83.3%±2.5%であり、本試験によりアラノンジーの上乗せ効果が確認された。 ・ハイリスクT細胞性リンパ芽球性リンパ腫(T-LL)患者に対してアラノンジーを追加投与した群の4年無病生存率(DFS rate)は85.0%±5.6%に対してアラノンジーを追加投与しなかった群は89.0%±4.7%であり、本試験によりアラノンジーの上乗せ効果が確認されなかった ・アラノンジー追加療法の治療関連有害事象(TRAE)は神経毒性を含め許容できる有害事象(AE)であった
2018年5月16日、2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催される米国癌治療学会議(ASCO 2018)に先立って行われた報道解禁プレスキャストにて、新規T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)またはT細胞性リンパ芽球性リンパ腫(T-LL)を有する小児または若年成人患者に対する標準化学療法(aBFMレジメン)+漸増メトトレキサート+ペグアスパラガーゼ併用療法(CMTX)、または標準化学療法(aBFMレジメン)+大量メトトレキサート・ロイコボリン救援併用療法(HDMTX)にネララビン(商品名アラノンジー;以下アラノンジー)を上乗せする治療の有効性を検証した第III相のCOG AALL0434試験(NCT00408005)の結果がUniversity of Virginia School of Medicine・Kimberly P. Dunsmore氏らにより公表された。 本試験は、新規T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)またはT細胞性リンパ芽球性リンパ腫(T-LL)を有する1歳から30歳の患者(N=1895人,T-ALL94%,T-LL6%)に対して下記4群に無作為に振り分け、評価項目として無病生存率(DFS rate)、全生存率(OS rate)などを比較検証した大規模無作為化の第III相試験である。 1:標準化学療法(aBFMレジメン)+漸増メトトレキサート+ペグアスパラガーゼ(CMTX)+アラノンジー併用療法 2:標準化学療法(aBFMレジメン)+漸増メトトレキサート+ペグアスパラガーゼ(CMTX)併用療法(アラノンジー非併用療法) 3:標準化学療法(aBFMレジメン)+大量メトトレキサート・ロイコボリン救援療法(HDMTX)+アラノンジー併用療法 4:標準化学療法(aBFMレジメン)+大量メトトレキサート・ロイコボリン救援併用療法(HDMTX)(アラノンジー非併用療法) 本試験の結果、T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)患者の4群における4年無病生存率(DFS rate)、4年全生存率(OS rate)はそれぞれ84.3%±1.1%、90.2%±0.9%であった。そして、T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)患者の内アラノンジーを投与した群(N=323人)の4年無病生存率(DFS rate)は88.9%±2.2%に対してアラノンジーを投与しなかった群(N=336人)は83.3%±2.5%(P =0.0332)であり、アラノンジーの上乗せ効果が確認された。 また、標準化学療法(aBFMレジメン)+漸増メトトレキサート+ペグアスパラガーゼ(CMTX)の治療群に振り分けられたT細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)患者の内、アラノンジーを投与した群(N=147人)の4年無病生存率(DFS rate)は92.2%±2.8%に対してアラノンジーを投与しなかった群(N=151人)は89.8% ± 3.0%(P=0.3825)であった。 標準化学療法(aBFMレジメン)+大量メトトレキサート・ロイコボリン救援併用療法(HDMTX)の治療群に振り分けられたT細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)患者の内、アラノンジーを投与した群(N=176人)の4年無病生存率(DFS rate)は86.2%±3.2%に対してアラノンジーを投与しなかった群(N=185人)は78.0%±3.7%(P=0.024)であった。 なお、ハイリスクT細胞性リンパ芽球性リンパ腫(T-LL)患者の内アラノンジーを投与した群(N=60人)の4年無病生存率(DFS rate)は85.0%±5.6%に対してアラノンジーを投与しなかった群(N=58人)は89.0%±4.7%(P =0.2788)であり、アラノンジーの上乗せ効果は確認できなかった。 一方の安全性としては、4群間における治療関連有害事象(TRAE)の統計学的有意な違いは確認されず、神経毒性を含めた有害事象(AE)は許容できるものであった。 以上のCOG AALL0434試験の結果よりKimberly P. Dunsmore氏らは以下のように結論を述べている。”COG AALL0434試験は新規T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)またはT細胞性リンパ芽球性リンパ腫(T-LL)小児または若年成人患者に対するアラノンジーの上乗せ効果を検証した大規模試験です。本試験の結果より、T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)患者においてアラノンジーの無病生存率(DFS rate)改善効果が確認されましたので、本患者群における新しい標準治療になるべきでしょう。” COG AALL0434: A randomized trial testing nelarabine in newly diagnosed t-cell malignancy.(2018 ASCO Annual Meeting, Abstract No.10500)
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山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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