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転移性または手術適応のない局所進行性皮膚扁平上皮がん(CSCC)患者に対する抗PD-1抗体薬Cemiplimab、FDAより生物製剤認可申請(BLA)の優先審査を受ける

[公開日] 2018.05.11[最終更新日] 2018.05.11

この記事の3つのポイント ・転移性または手術適応のない局所進行性皮膚扁平上皮がん(CSCC)の適応で抗PD-1抗体薬であるCemiplimab(REGN2810)が米国食品医薬品局(FDA)より生物製剤認可申請(BLA)の優先審査を受けた ・Cemiplimabの生物製剤認可申請(BLA)の優先審査の結果は2018年10月28日を予定している ・進行性皮膚扁平上皮がん(CSCC)患者におけるCemiplimab単剤療法の客観的奏効率(ORR)は46.3%を示している
2018年4月30日、リジェネロン・ファーマシューティカルズはプレスリリースにて転移性または手術適応のない局所進行性皮膚扁平上皮がん(CSCC)患者に対する抗PD-1抗体薬であるCemiplimab(REGN2810)が米国食品医薬品局(FDA)より生物製剤認可申請(BLA)の優先審査を受けることを公表した。なお、生物製剤認可申請(BLA)の優先審査結果は2018年10月28日を期限にしている。 今回の生物製剤認可申請(BLA)は第II相のEMPOWER-CSCC1試験(NCT02760498)の結果に基いている。EMPOWER-CSCC1試験とは、転移性皮膚扁平上皮がん(CSCC)患者に対して2週間に1回Cemiplimab 3mg/kg単剤療法を投与する群(コーホート1)、転移性皮膚扁平上皮がん(CSCC)患者に対して3週間に1回Cemiplimab 350mg単剤療法を投与する群(コーホート2)、手術適応のない局所進行性皮膚扁平上皮がん(CSCC)患者に対して2週間に1回Cemiplimab 3mg/kg単剤療法を投与する群(コーホート3)の3コーホートに分け、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)を検証した単群非盲検下の第II相試験である。 本試験の結果、進行性皮膚扁平上皮がん(CSCC)患者における主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は46.3%を示した。また、EMPOWER-CSCC1試験以外にも第I相の拡大コーホート試験の結果も併せて生物製剤認可申請(BLA)の資料として提出している。 第I相試験では、手術適応のない局所進行性皮膚扁平上皮がん(CSCC)患者(N=26人)に対して2週間に1回Cemiplimab 3mg/kg単剤療法を48週間投与し、客観的奏効率(ORR)は46.2%(95%信頼区間:26.6%-66.6%)、病勢コントロール率(DCR)69.2%(95%信頼区間:48.2%-85.7%)を示している。 一方の安全性としては、10%以上の患者で確認されたCemiplimabmの全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は疲労23.1%であり、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は低率であった。 なお、EMPOWER-CSCC1試験の詳細については2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催される米国癌治療学会議(ASCO 2018)で公表される予定である。
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山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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