この記事の3つのポイント
・ガイドライン『American Cancer Society’s Nutrition and Physical Activity Guidelines』ではBMI値、身体的活動量、食生活により患者を0~6までのスコア別に分類し、スコア値が大きければ大きいほどガイドラインを遵守していることを意味している
ステージ3大腸がん患者の死亡のリスクはスコア0-1群に比べてスコア5-6群で42%減少した(P=0.01)
・ステージ3大腸がん患者の再発または他疾患発症のリスクはスコア0-1群に比べてスコア5-6群で31%減少した(P=0.03)

2018年4月12日、医学誌『JAMA Oncology』にてガイドライン『American Cancer Society’s Nutrition and Physical Activity Guidelines(以下ACS guidelines)』に記載あるBMI値、身体的活動量、野菜・果物・穀物などを含む食生活、アルコール摂取量を遵守しているステージ3大腸がん患者と遵守しなかった患者の生存率を検証した前向きコーホート試験の結果がUniversity of California・Erin L. Van Blarigan氏らにより公表された。

本試験はステージ3大腸がん患者に対して術後化学療法有効性を検証するために1999年より2001年にかけて実施された第III相のCALGB 89803試験(NCT00003835)に登録された患者(N=992人)を対象に術後化学療法後にACS guidelinesに遵守した患者群、遵守しなかった患者群に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存率(OS)、無病生存率(DFS)、無再発生存率(RFS)を比較検証した前向きコーホート試験である。

なお、患者がどの程度ACS guidelinesを遵守しているかどうかはスコア0~6までの段階により6つの患者群に分類され、スコア値が大きければ大きいほどACS guidelinesに遵守していることを意味している。例えば、BMI値は35.0以上でスコア0、18.5-22.9または30.0-34.9でスコア1、23.0-29.9でスコア2。身体的活動量は週8.75METs未満/時でスコア0、週8.75METs以上週17.5METs未満/時でスコア1ACS guidelines、週17.5METs以上/時でスコア2。食生活は1日5回未満の野菜・果物・穀物摂取でスコア0、1日5回以上の野菜・果物・穀物摂取でスコア1。アルコール摂取量は女性の場合1日2杯以上でスコア0、ノンアルコール者でスコア1、1日0-1杯でスコア2、男性の場合1日3杯以上でスコア0、ノンアルコール者でスコア1、1日0-2杯でスコア2。

本試験に登録された患者を以上のACS guidelinesに基づき6つの群に分類した時の患者背景は下記の通りである。年齢中央値(P=0.73)はACS guidelinesスコア0-1群(N=262人)で59歳、スコア2群(N=248人)で61歳、スコア3群(N=251人)で61歳、スコア4群(N=140人)で61歳、スコア5-6群(N=91人)で59歳。性別は(P=0.02)スコア0-1群で男性52%、スコア2群で男性61%、スコア3群で男性57%、スコア4群で男性65%、スコア5-6群で男性47%。

TNM分類T因子(P=0.69)はスコア0-1群でT1-T2が14%、T3-T4が81%、不明が5%、スコア2群でT1-T2が13%、T3-T4が81%、不明が6%、スコア3群でT1-T2が12%、T3-T4が80%、不明が7%、スコア4群でT1-T2が16%、T3-T4が74%、不明が10%、スコア5-6群でT1-T2が12%、T3-T4が82%、不明が5%。N因子(P=0.95)はスコア0-1群でN1が64%、N2が34%、不明が3%、スコア2群でN1が63%、N2が35%、不明が2%、スコア3群でN1が63%、N2が36%、不明が1%、スコア4群でN1が61%、N2が36%、不明が3%、スコア5-6群でN1が60%、N2が37%、不明が2%。

BMI中央値(P<0.01)はスコア0-1群で33、スコア2群で29、スコア3群で26、スコア4群で25、スコア5-6群で23。身体的活動量中央値(P<0.01)はスコア0-1群で週2METs/時、スコア2群で週6METs/時、スコア3群で週9METs/時、スコア4群で週22METs/時、スコア5-6群で週31METs/時。

1日当たりの野菜・果物摂取量中央値(P<0.01)はスコア0-1群で1.6回、スコア2群で1.6回、スコア3群で1.8回、スコア4群で2.3回、スコア5-6群で3.4回。1週間当たりのアルコール摂取量中央値(P<0.01)はスコア0-1群で0.2回、スコア2群で0.5回、スコア3群で0.6回、スコア4群で0.9回、スコア5-6群で1.5回。

以上の背景を有する患者におけるフォローアップ期間中央値7年時点におけるACS guidelinesスコア別の全生存率(OS)、無病生存率(DFS)、無再発生存率(RFS)は下記の通りである。全生存率(OS)はACS guidelinesスコア0-1群を1.00とし、スコア2群で0.96(95%信頼区間:0.69-1.33)、スコア3群で0.78(95%信頼区間:0.55-1.10)、スコア4群で0.73(95%信頼区間:0.49-1.10)、スコア5-6群で0.58(95%信頼区間:0.34-1.06)、スコア0-1群に比べてスコア5-6群で死亡のリスクが42%減少した(P=0.01)。

無病生存率(DFS)はACS guidelinesスコア0-1群を1.00とし、スコア2群で1.01(95%信頼区間:0.76-1.33)、スコア3群で0.88(95%信頼区間:0.66-1.17)、スコア4群で0.78(95%信頼区間:0.55-1.10)、スコア5-6群で0.69(95%信頼区間:0.45-1.06)、スコア0-1群に比べてスコア5-6群で再発または他疾患発症のリスクが31%減少した(P=0.03)。

無再発生存率(RFS)はACS guidelinesスコア0-1群を1.00とし、スコア2群で0.99(95%信頼区間:0.74-1.33)、スコア3群で0.86(95%信頼区間:0.64-1.17)、スコア4群で0.80(95%信頼区間:0.56-1.16)、スコア5-6群で0.78(95%信頼区間:0.51-1.20)、スコア0-1群に比べてスコア5-6群で再発のリスクが22%減少した(P=0.11)。

以上の前向きコーホート試験の結果よりErin L. Van Blarigan氏らは以下のように結論を述べている。”ステージ3大腸がんと診断された後に健康的な体型を保ち、日々の身体的活動量を高め、野菜・果物・穀物などが豊富な食生活を心がけることで生存期間を延長できることが本試験より証明されました。”

Association of Survival With Adherence to the American Cancer Society Nutrition and Physical Activity Guidelines for Cancer Survivors After Colon Cancer Diagnosis The CALGB 89803/Alliance Trial(JAMA Oncol. Published online April 12, 2018. doi:10.1001/jamaoncol.2018.0126)

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