この記事の3つのポイント
・サイラムザは胃がん、非小細胞肺がん、大腸がんに対して有効性が確認されている抗VEGF抗体薬である
・進行性肝細胞がんの中でもαフェトプロテインAFP)値400ng/mL以上の患者の予後は悪い
・AFP値400ng/mL以上の進行性肝細胞がん患者に対する二次治療としてのサイラムザはプラセボよりも全生存期間OS)、無増悪生存期間PFS)を統計学的有意に延長した

2018年4月4日、イーライリリー・アンド・カンパニーのプレスリリースにてベースラインのαフェトプロテイン(AFP)値が上昇している肝細胞がん患者の二次治療として抗VEGF抗体であるラムシルマブ(商品名サイラムザ;以下サイラムザ)+最善の支持療法BSC)、又はプラセボ+最善の支持療法(BSC)の有効性を検証した第III相のREACH-2試験(NCT02435433)の結果が公表された。

REACH-2試験とは、ソラフェニブ(商品名ネクサバール;以下ネクサバール)治療後に病勢進行したベースラインのαフェトプロテイン(AFP)値が400ng/mL以上である肝細胞がん患者(N=292人)に対して2週間に1回の投与間隔でサイラムザ8mg/kg+最善の支持療法(BSC)を投与する群、又はプラセボ+最善の支持療法(BSC)を実施する群に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)を検証した国際多施設共同の第III相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である全生存期間(OS)、副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)共にプラセボ群よりもサイラムザ群で統計学的有意な改善傾向を示すことが証明された。また、安全性としてサイラムザ群の5%以上の患者で発症が確認された治療関連有害事象(TRAE)は高血圧、低ナトリウム血症であった。

なおREACH-2試験以前、ネクサバール治療歴のある進行性肝細胞がん患者に対するサイラムザ+最善の支持療法(BSC)を投与する群、又は最善の支持療法(BSC)の有効性を検証した第III相のREACH試験(NCT01140347)が実施されており、その試験の主要評価項目である全生存期間(OS)では最善の支持療法(BSC)に対するサイラムザ単剤療法の優越性を証明できなかった。

しかし、本試験のベースラインのαフェトプロテイン(AFP)値400ng/mL以上の患者群におけるサブグループ解析の結果、全生存期間(OS)中央値はサイラムザ群7.8カ月に対してプラセボ群4.2カ月、サイラムザ群で死亡のリスクが32.6%統計学的有意に減少(ハザード比0.674,95%信頼区間:0.508-0.895,P=0.0059)することが証明された背景を受けて、REACH-2試験が実施された。

以上のREACH-2試験の主要評価項目としての全生存期間(OS)、副次評価項目としての無増悪生存期間(PFS)の達成を受けて、イーライリリー・アンド・カンパニー・ Levi Garraway氏は以下のように述べている。”進行性肝細胞がん患者さんの予後は悪いですが、αフェトプロテイン(AFP)値の高い肝細胞がん患者さんの予後の悪さはそれ以上です。全肝細胞がん患者さんの内αフェトプロテイン(AFP)値の高い患者さんは約半数おり、一次治療としてのネクサバールの治療に病勢進行を示した場合の予後は数ヶ月です。以上の背景より、アンメットメディカルニーズの高い疾患においてサイラムザの有効性を証明したことを喜ばしく思います。”

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