この記事の3つのポイント
・IDO1は細胞傷害性T細胞を増殖させる必須アミノ酸のトリプトファンを分解し、免疫系を抑制する酵素であり、抗PD-1/L1抗体薬との併用により抗腫瘍応答をより効果的に活性化できる可能性がある
・切除不能転移性悪性黒色腫(メラノーマ)に対するIDO1阻害剤Epacadostat+抗PD-1抗体薬キイトルーダ併用療法は、キイトルーダ単剤療法に比べて無増悪生存期間PFS)を統計学的有意に延長しなかった
・無増悪生存期間(PFS)同様に全生存期間OS)もEpacadostat+キイトルーダ併用療法は、キイトルーダ単剤療法に比べて統計学的有意に延長しない可能性が示唆された

2018年4月6日、選択的インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ1(IDO1)阻害剤であるEpacadostatを開発するIncyte Corporation、抗PD-L1抗体薬であるペムブロリスマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)を開発するMerckのプレスリリースにて、切除不能又は転移性悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対するEpacadostat+キイトルーダ併用療法は、キイトルーダ単剤療法に比べて主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の優越性を示すことができないことを第III相のECHO-301/KEYNOTE-252試験(NCT02752074)を評価した外部データモニタリング委員会 (eDMC)の結果より公表した。

ECHO-301/KEYNOTE-252試験とは、切除不能又は転移性悪性黒色腫(メラノーマ)患者(N=700人以上)に対してEpacadostat+キイトルーダ併用療法を投与する群、またはプラセボ+キイトルーダ併用療法を投与する群に1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、副次評価項目として客観的奏効率ORR)などを比較検証した国際多施設共同二重盲検下の第III相試験である。

また、ECHO-301/KEYNOTE-252試験ではPD-L1発現率別、BRAF遺伝子変異別に患者群を分けたバイオマーカー解析を実施している。

なお、もう1つの主要評価項目である全生存期間(OS)も無増悪生存期間(PFS)同様に主要評価項目を達成する可能性がないことが示唆され、外部データモニタリング委員会 (eDMC)は本試験の早期中止を推奨している。

一方の安全性として、Epacadostat、キイトルーダの既存の安全性プロファイルと一致しており、ECHO-301/KEYNOTE-252試験で新たに確認された有害事象(AE)はなかった。

以上のECHO-301/KEYNOTE-252試験の主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の未達成の結果を受けてIncyte Corporation・最高メディカル責任者(CMO)・Steven Stein氏は以下のようにコメントを述べている。”切除不能又は転移性悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対するEpacadostat+キイトルーダ併用療法はキイトルーダ単剤療法に比べ、バイオマーカー解析結果を含めて無増悪生存期間(PFS)の優越性を示すことができませんでした。今後も我々は、IDO1阻害剤であるEpacadostatが抗PD-L1抗体薬との併用により臨床意義のある効果を発揮できる方法を検証していきます。”

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