• 検索
  • 相談
  • お知らせ
  • メニュー
  • がん種
  • 特集
  • 治験
  • リサーチ
  • イベント
  • 体験談
  • 患者会
  • 辞典
  • お役立ち

再発難治性B細胞性非ホジキンリンパ腫患者に対するエピジェネティック関連酵素であるEZH2阻害剤Tazemetostat、客観的奏効率(ORR)は38%を示す

[公開日] 2018.04.10[最終更新日] 2018.04.10

この記事の3つのポイント ・Tazemetostat単剤療法の主な治療関連有害事象(TRAE)は無力症、吐き気、貧血、食欲不振、筋痙攣、嘔吐 ・Tazemetostatの第II相試験推奨用量(RP2D)は1日2回800mg ・再発難治性B細胞性非ホジキンリンパ腫患者に対する客観的奏効率(ORR)は38%
2018年4月9日、医学誌『THE LANCET Oncology』にて再発難治性B細胞性非ホジキンリンパ腫患者または進行性固形がん患者に対するエピジェネティック関連酵素であるEZH2を標的にしたTazemetostat(EPZ-6438/E7438)単剤療法の安全性、有効性を検証した第I相試験(NCT01897571)の結果がInstitut Bergonié・Antoine Italiano氏らにより公表された。 本試験は、再発難治性B細胞性非ホジキンリンパ腫患者(N=21人)または進行性固形がん患者(N=43人)に対して28日を1サイクルとして1日1回Tazemetostatを100~1600mg投与し、主要評価項目として治療開始4週間以内に発症するグレード3以上の特定の治療関連有害事象(TRAE)として定義された用量制限毒性(DLT)などに基づく最大耐用量(MTD)と第II相試験推奨用量(RP2D)、部分奏効(PR)+完全奏効(CR)を達成した患者割合として定義された客観的奏効率(ORR)を検証した多施設共同非盲検下第I相試験である。 本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値はB細胞性非ホジキンリンパ腫患者群62歳(53-70歳)、固形がん患者群55歳(38-66歳)。ECOG Performance StatusはB細胞性非ホジキンリンパ腫患者群でスコア0が62%(N=13人)、スコア1が38%(N=8人)、固形がん患者群でスコア0が56%(N=24人)、スコア1が44%(N=19人)。 がんの種類はB細胞性非ホジキンリンパ腫患者群でびまん性大細胞型B細胞リンパ腫62%(N=13人)、濾胞性リンパ腫33%(N=7人)、MALTリンパ腫5%(N=1人 )、固形がん患者群でINI-1遺伝子変異陰性ラブドイド腫瘍16%(N=7人)、INI-1遺伝子変異陰性類上皮肉腫7%(N= 3人)、SMARCA4発現陰性ラブドイド卵巣腫瘍2%(N=1人)、その他70%(N=30人)。 治療歴はB細胞性非ホジキンリンパ腫患者群で0レジメン0%、1レジメン10%(N=2人)、2レジメン5%(N=1人)、3レジメン38%(N=8人)、4レジメン14%(N=3人)、5レジメン以上33%(N=7人)、固形がん患者群で0レジメン14%(N=6人)、1レジメン14%(N=6人)、2レジメン16%(N=7人)、3レジメン14%(N=6人)、4レジメン7%(N=3人)、5レジメン以上35%(N=15人)。造血幹細胞移植(HSCT)歴のある患者割合はB細胞性非ホジキンリンパ腫患者群で48%(N=10人)、固形がん患者群で5%(N=2人)。 以上の背景を有する患者に対してTazemetostat単剤療法を投与した結果は下記の通りである。最も一方的に確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は無力症55%(N=35人)、吐き気20%(N=13人)、貧血22%(N=14人)、食欲不振22%(N=14人)、筋痙攣22%(N=14人)、嘔吐19%(N=12人)。 なお、用量制限毒性(DLT)としてはTazemetostatを1600mgを投与した1人の患者でグレード4の血小板減少症の発症が確認された結果、事前に設定された最大耐用量(MTD)に到達しなかった。以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率、用量制限毒性(DLT)などの結果より、主要評価項目である第II相試験推奨用量(RP2D)は1日2回Tazemetostatを800mgとして決定した。 また、もう1つの主要評価項目である客観的奏効率(ORR)の結果は下記の通りである。B細胞性非ホジキンリンパ腫群では38%(N=8/21人,95%信頼区間:18.1%-61.6%)、その内訳は完全奏効(CR)3人(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫1人、濾胞性リンパ腫2人)、部分奏効(PR)5人(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫3人、濾胞性リンパ腫1人、MALTリンパ腫1人)。 固形がん患者群では5%(N=2/43人,95%信頼区間:0.6%-%)、その内訳は完全奏効(CR)1人(INI-1遺伝子変異陰性ラブドイド腫瘍1人)、部分奏効(PR)1人(SMARCA4発現陰性ラブドイド卵巣腫瘍1人)。 以上の第I相試験の結果よりAntoine Italiano氏らは以下のように結論を述べている。”再発難治性B細胞性非ホジキンリンパ腫または進行性固形がん患者さんに対するTazemetostat単剤療法は良好な安全性を示し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対しても抗腫瘍効果を示しました。” Tazemetostat, an EZH2 inhibitor, in relapsed or refractory B-cell non-Hodgkin lymphoma and advanced solid tumours: a first-in-human, open-label, phase 1 study(THE LANCET Oncology, DOI: https://doi.org/10.1016/S1470-2045(18)30145-1)
ニュース 悪性リンパ腫 悪性リンパ腫

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

治験・臨床試験

一覧を見る

リサーチ・調査

一覧を見る

ニュース

一覧を見る

イベント

一覧を見る

患者会

一覧を見る