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プラチナ製剤併用化学療法後の局所進行性または転移性尿路上皮がんに対するキイトルーダ、治療期間2年を超えても全生存期間(OS)を有意に延長する
[公開日] 2018.03.23[最終更新日] 2018.03.23
2018年2月8日より10日までアメリカ合衆国・カリフォルニア州で開催されている米国泌尿器癌シンポジウム(ASCO GU2018)のポスターセッションにて、プラチナ製剤併用化学療法後の局所進行性または転移性尿路上皮がん患者に対する二次治療としてペムブロリスマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)単剤療法の有効性を検証した第III相のKEYNOTE-045試験(NCT02256436)の結果がDana-Farber Cancer Institute・Joaquim Bellmunt氏らにより公表された。
KEYNOTE-045試験とは、プラチナ製剤併用化学療法12ヶ月後以内に再発又は進行した局所進行性または転移性尿路上皮がん患者(N=542人)に対して3週間に1回の投与間隔でキイトルーダ200mg単剤療法を投与する群、または治験担当医師判断による化学療法(3週間に1回の投与間隔でパクリタキセル175mg/m2、ドセタキセル5mg/m2、vinflunine320mg/m2のいずれか1つ)を投与する群に1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全集団、またはPD-L1高発現集団における全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、奏効持続期間(DOR)を比較検証した国際多施設共同オープンラベルの第III相試験である。
なお、本ポスターセッションではフォローアップ期間中央値27.7ヶ月時点、つまりフォローアップ期間2年を超えたKEYNOTE-045試験の結果である。本試験の結果、主要評価項目として全集団における全生存期間(OS)中央値はキイトルーダ群10.3ヶ月に対して治験担当医師判断による化学療法群7.3ヶ月、キイトルーダ単剤療法を投与することで死亡のリスクを30%(ハザードリスク比:0.70,P< 0.0002)統計学的有意に減少することを示した。
また、本試験では腫瘍細胞と免疫細胞のPD-L1発現を合わせたスコアであるCPS10%以上の患者をPD-L1高発現集団として設定しているが、CPSスコア別の全生存期間(OS)のハザードリスク比は下記の通りである。CPSスコア1未満の集団では0.82、1以上の集団では0.58、10未満の集団では0.75、10以上の集団では0.56であった。
もう1つの主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はキイトルーダ群2.1ヶ月に対して治験担当医師判断による化学療法群3.3ヶ月、キイトルーダ単剤療法を投与することで病勢進行または死亡のリスクを4%(ハザードリスク比:0.96,P= 0.32)減少するも統計学的有意な差は確認されなかった。
副次評価項目である客観的奏効率(ORR)はキイトルーダ群21.1%に対して治験担当医師判断による化学療法群11.0%、奏効持続期間(DOR)はキイトルーダ群未到達(1.6-30.3ヶ月)に対して治験担当医師判断による化学療法群4.4ヶ月(1.4-29.9ヶ月)、奏効に関してはキイトルーダ群で改善することが確認された。
一方の安全性として、治療関連有害事象(TRAE)を発症した患者はキイトルーダ群62.0%に対して治験担当医師判断による化学療法群90.6%、グレード3以上に患者群を絞るとそれぞれ16.5%、50.2%を示した。
以上のKEYNOTE-045試験の結果よりJoaquim Bellmunt氏らは以下のように結論を述べている。”プラチナ製剤併用化学療法後の局所進行性または転移性尿路上皮がん患者さんに対するキイトルーダ単剤療法は、2年の治療期間を超えても標準治療の化学療法に比べて全生存期間(OS)を有意に延長し、安全性も良好でした。”
Two-year follow-up from the phase 3 KEYNOTE-045 trial of pembrolizumab (pembro) vs investigator’s choice (paclitaxel, docetaxel, or vinflunine) in recurrent, advanced urothelial cancer (UC).(ASCO GU, Abstract No.410)
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