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切除不能肝細胞がんに対する1次治療としてのレンビマ、独立画像評価委員会(IIR)による評価でも無増悪生存期間(PFS)、無増悪期間(TTP)、客観的奏効率(ORR)を改善する

[公開日] 2018.02.28[最終更新日] 2018.02.28

2018年1月18日より20日までアメリカ合衆国・カルフォルニア州・サンフランシスコで開催されている消化器癌シンポジウム(ASCO-GI2018)のポスターセッションにて、治療歴のない切除不能肝細胞がん(HCC)患者に対する1次治療としてのレンバチニブ(商品名レンビマ;以下レンビマ)単剤療法とソラフェニブ(商品名ネクサバール;以下ネクサバール)単剤療法の有効性を比較検証した第III相のREFLECT試験(NCT01761266)の事後解析である独立画像評価委員会(IIR)による結果がUniversity of Miami Miller School of Medicine・Andrea Wang-Gillam氏らより公表された。 REFLECT試験とは、全身化学療法による治療歴のない切除不能肝細胞がん(HCC)患者(N=954人)に対して1日1回レンビマ8mgまたは12mgを投与する群(N=478人)、1日2回ネクサバール400mgを投与する群(N=476人)に1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)の非劣性、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、無増悪期間(TTP)、客観的奏効率(ORR)などを検証した多施設共同オープンラベルの第III相試験である。 今回のポスターセッション以前に公表されている治験医師のmRECISTによる評価結果では、主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はレンビマ投与群13.6カ月に対してネクサバール投与群12.3ヶ月、レンビマ投与により死亡(OS)のリスクが8%(ハザード比:0.92,95%信頼区間:0.79-1.06)減少し、統計学有意な非劣性が証明された。 また、副次評価である無増悪生存期間(PFS)はレンビマ投与群7.4カ月に対してネクサバール投与群3.7ヶ月(ハザード比:0.66,95%信頼区間:0.57-0.77)、無増悪期間(TTP)はレンビマ投与群8.9カ月に対してネクサバール投与群3.7ヶ月(ハザード比:0.63,95%信頼区間:0.53-0.73,P < 0.00001)、客観的奏効率(ORR)はレンビマ投与群24%に対してネクサバール投与群9%(P < 0.00001)、それぞれの項目でレンビマ投与群はネクサバール投与群に比べて良好な結果を示していた。 以上の結果は治験医師のmRECISTによる評価結果であるが、本結果の精度を高めるために事後解析として独立画像評価委員会(IIR)のmRECIST、RECIST v1.1による評価結果が今回のセッションでは公表された。なお、954人のうち952人(99.8%)の患者で独立画像評価委員会(IIR)による評価が可能であった。 本試験の結果、無増悪生存期間(PFS)、無増悪期間(TTP)の結果は治験医師のmRECISTによる評価結果と独立画像評価委員会(IIR)のmRECIST、RECIST v1.1による評価結果は同等であった。しかし、客観的奏効率(ORR)においては治験医師のmRECISTによる評価結果よりも、独立画像評価委員会(IIR)のmRECISTによる評価結果の方が高かった。 例えば、独立画像評価委員会(IIR)のmRECISTではレンビマ投与群40.6%に対してネクサバール投与群12.4%。独立画像評価委員会(IIR)のRECIST v1.1ではレンビマ投与群18.8%に対してネクサバール投与群6.5%、RECIST v1.1よりもmRECISTの奏効率が2倍を示した。治験医師による評価でも独立画像評価委員会(IIR)による評価でも、レンビマ投与群はネクサバール投与群に比べて良好な結果を示していた点は共通している。 以上のREFLECT試験の結果よりAndrea Wang-Gillam氏らは以下のように結論を述べている。"独立画像評価委員会(IIR)による評価は治験医師による評価の結果の信頼性を裏づけます。どちらの評価方法においても、レンビマ投与群はネクサバール投与群に比べて無増悪生存期間(PFS)、無増悪期間(TTP)、客観的奏効率(ORR)において良好な結果を示しました。” Independent imaging review (IIR) results in a phase 3 trial of lenvatinib (LEN) versus sorafenib (SOR) in first-line treatment of patients (pts) with unresectable hepatocellular carcinoma (uHCC).(ASCO-GI2018, Abstract No.345)
ニュース 肝臓がん ソラフェニブ

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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