ネクサバール治療歴のある進行性肝細胞がんに対するオプジーボ単剤療法、抗腫瘍活性が生存率へ影響を与えるASCO-GI2018より


  • [公開日]2018.02.23
  • [最終更新日]2018.02.26文脈のわかりづらさを修正

2018年1月18日より20日までアメリカ合衆国・カルフォルニア州・サンフランシスコで開催されている消化器癌シンポジウム(ASCO-GI2018)のポスターセッションにて、ソラフェニブ(商品名ネクサバール;以下ネクサバール)治療歴のある進行性肝細胞がん患者に対するニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)単剤療法有効性を検証した第I/II相のCheckMate-040試験(NCT01658878)の結果がUniversity of Southern California Norris Comprehensive Cancer Center・Anthony B. El-Khoueiry氏らより公表された。

CheckMate-040試験とは、ネクサバール治療歴のある進行性肝細胞がん患者(N=145)に対して2週間に1回の投与間隔でオプジーボ3mg/kg単剤療法を投与し、主要評価項目として客観的奏効率ORR)、副次評価項目として病勢コントロール率DCR)、全生存期間OS)などを検証したオープンラベルの第I/II相である。なお、今回のポスターセッションではオプジーボの抗腫瘍活性により全生存率への影響を主に検証している。

本試験のフォローアップ期間14.9ヶ月時点における主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は14.0%を示した。また、副次評価項目である病勢コントロール率(DCR)は56%を示し、安定SD)を6ヶ月以上継続できた患者は27%を示した。また、全生存期間(OS)中央値は15.6ヶ月であった。

そして、オプジーボの抗腫瘍活性により全生存率への影響は下記の通りである。

【抗腫瘍活性が高い場合】
腫瘍量が25%以上減少を示した患者(N=29人)の全生存期間(OS)中央値は未到達、0–25%減少を示した患者(N=30人)の全生存期間(OS)中央値は17.7ヶ月だった。

【抗腫瘍活性が低い場合】
腫瘍量が0–25%増加を示した患者(N=57人)の全生存期間(OS)中央値は11.7ヶ月、25%以上増加を示した患者(N=20人)の全生存期間(OS)中央値は8.9ヶ月であり、抗腫瘍活性が減少することで全生存率が延長する関係性が示された。

なお、奏効割合が安定(SD)、病勢進行(PD)である患者(N=124人)における全生存期間(OS)中央値は13.4ヶ月を示し、 病勢進行(PD)を示した患者56人のうち11人に該当する20%の患者においては例外的なベネフィットが得られることが確認された。

以上のCheckMate-040試験の結果より、Anthony B. El-Khoueiry氏らは以下のように結論を述べている。”ネクサバール治療歴のある進行性肝細胞がん患者に対するオプジーボ単剤療法の効果は抗腫瘍活性が増加することで全生存率が延長し、奏効率の程度に限られず臨床的ベネフィットが得られることが示されました。”

Impact of antitumor activity on survival outcomes, and nonconventional benefit, with nivolumab (NIVO) in patients with advanced hepatocellular carcinoma (aHCC): Subanalyses of CheckMate-040.(ASCO-GI2018, Abstract No.475)

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