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Child-Pugh分類グレードBの肝硬変を有する進行性肝細胞がんに対するオプジーボ単剤療法、23%の患者で安定(SD)を示す
[公開日] 2018.02.08[最終更新日] 2018.02.08
2018年1月18日より20日までアメリカ合衆国・カルフォルニア州・サンフランシスコで開催されている消化器癌シンポジウム(ASCO-GI2018)のポスターセッションにて、Child-Pugh分類Bの肝硬変を有する進行性肝細胞がん患者に対するニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)単剤療法の有効性、安全性を検証したレトロスペクティブ試験の結果がUCSF Helen Diller Family Comprehensive Cancer Center・Swetha Kambhampati氏らより公表された。
本試験は、UCSF Hepatobiliary Tissue Bankに登録されているオプジーボ単剤療法が投与されたChild-Pugh分類グレードBの肝硬変を有する進行性肝細胞がん患者(N=13人)の有効性、安全性を検証することを目的にしたレトロスペクティブ試験である。
本試験の背景としては、第I/II相のCheckMate-040試験においてネクサバール治療歴のあるChild-Pugh分類Aの進行性肝細胞がん患者に対してオプジーボ単剤療法の有効性、安全性が証明されているが、Child-Pugh分類グレードBの肝硬変を有する進行性肝細胞がん患者に対するオプジーボ単剤療法の有効性、安全性が証明されていないためである。
本試験の対象となった患者背景は、年齢中央値は66歳(26-86)、性別は男性77%、人種はアジア人38%、白人54%。C型肝炎ウイルス(HCV)抗体陽性31%、B型肝炎ウイルス(HBV)抗原陽性23%、BCLC分類Bが31%、Cが69%、Child-Pughスコア中央値8点。前治療歴中央値1(0-6)、前治療薬ソラフェニブ(商品名ネクサバール;以下ネクサバール)69%、ネクサバールによる治療日数137日(10-341)である。
上記背景を有する患者に対してオプジーボ単剤療法を投与した結果、投与開始日からの全生存期間(OS)中央値は119日(95%信頼区間:40-247)、奏効割合は安定(SD)以上の患者は23%(N=3人)であった。なお、6ヶ月以上安定(SD)が持続した患者、12ヶ月以上完全奏効(CR)が持続した患者はそれぞれ1人であった。
一方の安全性は、オプジーボ投与によりグレード3以上の有害事象(AE)を発症した患者は69%(N=9人)、重毒な有害事象(AE)を発症した患者は62%(N=8人)で確認された。また、免疫関連副作用(irAE)を発症した患者は38%(N=5人)で確認され、その内容はアスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST)またはアラニンアミノ基転移酵素(ALT)上昇15%(N=2人)、背部痛8%(N=1人)、甲状腺機能低下症8%(N=1人)、皮膚障害15%(N=2人)であった。なお、治療関連有害事象(TRAE)により治療の継続が困難になった患者は15%(N=2人)であった。
以上のレトロスペクティブ試験の結果より、Swetha Kambhampati氏らは以下のように結論を述べている。"本試験によりChild-Pugh分類グレードBの肝硬変を有する進行性肝細胞がん患者さんに対するオプジーボ単剤療法の有効性、安全性プロファイルが示されました。このような患者さんに対するオプジーボ単剤療法の臨床でのエビデンスは乏しいので、今後もさらなら検証が必要です。”
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