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膠芽腫(グリオブラストーマ)に対するメンテナンス療法としてのTTフィールド+テモダール併用療法、無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)ともに有意に改善を示す
[公開日] 2018.01.15[最終更新日] 2018.01.15
2017年12月19日、医学誌『JAMA』にて放射線療法を受けた膠芽腫(グリオブラストーマ)患者に対するメンテナンス療法としてテモゾロミド(商品名テモダール;以下テモダール)+ TTフィールドの有効性を検証した第III相の試験(NCT00916409)の結果がLurie Comprehensive Cancer Center of Northwestern University・Roger Stupp氏らより公表された。
本試験は、初期放射線療法後の膠芽腫(グリオブラストーマ)患者(N=695人)に対するメンテナンス療法として、頭皮に電場を作り出す粘着性シートを貼り付け、腫瘍治療電場(TTフィールド;以下TTフィールド)と呼ばれる電場を発生させることで腫瘍細胞の増殖を抑える医療機器+化学療法であるテモダール併用療法を投与する群(N=466人)、またはテモダール単独療法を投与する群(N=229人)に2:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)を比較検証した国際多施設共同オープンラベルの第III相試験である。
本試験に登録された患者背景は、年齢中央値56歳、男性68%、白人89%、アメリカ合衆国にて試験に登録された患者が49%を占める
本試験のフォローアップ期間中央値40ヶ月時点における結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はTTフィールド+テモダール併用療法群6.7ヶ月に対してテモダール単独療法群4.0ヶ月、TTフィールド+テモダール併用療法群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクが37%統計学的優位に減少 (ハザード比:0.63,95%信頼区間:0.52-0.76,P < .001)を示した。
また、副次評価項目である全生存期間(OS)中央値はTTフィールド+テモダール併用療法群20.9ヶ月に対してテモダール単独療法群16.0ヶ月、TTフィールド+テモダール併用療法群で全死亡(OS)のリスクが37%統計学的優位に減少 (ハザード比:0.63,95%信頼区間:0.53-0.76,P < .001)を示した。
一方の安全性としては、グレード3または4の有害事象(AE) はTTフィールド+テモダール併用療法群で48%、テモダール単独療法群で44%の患者で確認された。有害事象(AE)の種類としては神経系障害発症率は24%に対して20%、血液リンパ系障害発症率は13%に対して11%、中等度皮膚毒性発症率はTTフィールド+テモダール併用療法群で52%の患者で確認された。
以上の第III相試験の結果より、Roger Stupp氏らは以下のような結論を出している。"初期放射線療法後の膠芽腫(グリオブラストーマ)患者に対するメンテナンス療法としてのTTフィールド+テモダール併用療法は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)ともに統計学的有意に改善することが示し、本試験の結果から期待のできる治療方法であることが証明されました"
Effect of Tumor-Treating Fields Plus Maintenance Temozolomide vs Maintenance Temozolomide Alone on Survival in Patients With Glioblastoma(JAMA. 2017;318(23):2306-2316. doi:10.1001/jama.2017.18718)
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