PD-L1陽性進行性子宮頸がん患者に対するキイトルーダ単剤療法、客観的奏効率(ORR)17%を達成Journal of Clinical Oncologyより


  • [公開日]2017.11.12
  • [最終更新日]2017.11.12

2017年11月2日、医学誌『Journal of Clinical Oncology (JCO)』にてPD-L1陽性進行性子宮頸がん患者に対するペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)の有効性安全性を検証した第Ib相のKEYNOTE-028試験(NCT02054806)の結果が公開された。

本試験は、切除不能進行性固形がん患者に対して2週間に1回の投与間隔でキイトルーダ10mg/kg単剤療法を投与し、主要評価項目であるRECIST1.1(固形がん)を基準とした客観的奏効率(ORR)を検証した多施設共同シングルアームオープンラベルの第Ib相試験である。なお、医学誌『Journal of Clinical Oncology)』に今回公開された内容は、本試験に登録された固形がん患者の中から子宮頸がん患者(N=24人)のみを対象としている。

本試験に登録された子宮頸がん患者(N=24人)の背景は、年齢中央値42歳(26歳から62歳)、92%(N=22人)の患者で放射線治療による前治療があり、ベバシズマブ(商品名アバスチン;以下アバスチン)を含む63%(N=15人)の患者が2、3レジメン以上の治療歴があった。

本試験の結果、フォローアップ期間中央値11ヶ月時点(1.3から32.2ヶ月)における、主要評価項目であるRECIST1.1を基準とした客観的奏効率(ORR)は17%(95%信頼区間:5%-37%)であった。客観的奏効率(ORR)の詳細は部分奏効(PR)を達成した患者は17%(N=4人)、安定(SD)を達成した患者は13%(N=3人)であった。また、部分奏効(PR)を達成したの奏効持続期間(DOR)中央値は5.4ヶ月(4.1 -7.5ヶ月)であった。

一方の安全性としては、75%(N=18人)の患者で治療関連有害事象(AE)が確認された。免疫関連有害事象(irAE)は6人の患者で確認され、その詳細は皮膚障害2人、大腸炎1人、ギラン・バレー症候群1人、甲状腺機能亢進症1人、そして甲状腺機能低下症1人であった。

また10%以上の患者で発症した有害事象(AE)は皮膚障害21%(N=5人)、発熱17%(N=4人)、グレード3の有害事象(AE)を発症した患者は5人であった。グレード3の大腸炎、ギラン・バレー症候群を発症した2人の患者は治療中止となった。なお、グレード4の有害事象(AE)を発症した患者、治療関連有害事象(AE)により死亡した患者は0人であった。

以上のKEYNOTE-028試験の結果より、PD-L1陽性進行性子宮頸がん患者に対するキイトルーダ単剤療法は他の固形がん種と同様に有用性があることが証明された。

近年、進行性子宮頸がん患者に対するアバスチン+化学療法併用療法が全生存期間(OS)を延長することが証明され、子宮頸がんの治療成績は向上している。しかし、アバスチンによる治療憎悪後の治療選択肢は限られていたため本試験で有用性が証明されたキイトルーダ単剤療法は子宮頸がんの治療成績向上に寄与することになるであろう。

Safety and Efficacy of Pembrolizumab in Advanced, Programmed Death Ligand 1–Positive Cervical Cancer: Results From the Phase Ib KEYNOTE-028 Trial (JCO, Published online: November 2, 2017)

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