再発進行胃がんの3次治療以降としてのオプジーボ、プラセボに対して生存期間を有意に延長The Lancetより


  • [公開日]2017.10.30
  • [最終更新日]2017.11.13[タグの追加] 2017/11/13

2017年10月6日、2レジメン以上の化学療法に不応の進行または再発胃がん患者に対するニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)単剤療法有効性を検証した第III相のONO-4538-12/ATTRACTION-2試験(NCT02267343)の結果が医学誌『THE LANCET』に掲載された。

ONO-4538-12/ATTRACTION-2試験とは、2レジメン以上の化学療法に不応の食道胃接合部がんを含む進行再発胃がん患者(N=493人)に対してオプジーボ単剤療法を投与する群(N=330人)、またはプラセボを投与する群(N=163人)に2:1の割合でランダムに振り分け、主要評価項目であるITT解析による全生存期間(OS)を比較検証した国際多施設共同二重盲検比較の第III相試験である。なお、本試験は日本、韓国、台湾の3ヶ国の医療機関で実施されている。

本試験の結果、主要評価項目であるITT解析による全生存期間(OS)中央値はプラセボ群4.14ヶ月(95%信頼区間: 3.42-4.86ヶ月)に対してオプジーボ群5.26ヶ月(95%信頼区間:4.60-6.37ヶ月)と、オプジーボ群で有意に延長していた(ハザード比:0.63,95%信頼区間:0.51-0.78,p<0.001)。また、12ヶ月全生存率(OS)はプラセボ群10.9%(95%信頼区間:6.2-17.0%)に対してオプジーボ群26.2% (95%信頼区間: 20·7–32·0%)であった。

一方の安全性はと言うと、グレード3または4の治療関連有害事象発症率はプラセボ群で4%、オプジーボ群で10%であった。また、治療関連有害事象による死亡率はプラセボ群で1%、オプジーボ群で2%であった。

以上の有効性、安全性の試験結果を受けて、2レジメン以上の化学療法に不応の再発または進行胃がん患者に対するオプジーボ単剤療法の有用性が証明された。進行再発胃がんにおける1次治療2次治療とは違い、3次治療以降の標準治療は確立していないため、本試験の結果は進行再発胃がんの治療成績を向上させるであろう。

Nivolumab in patients with advanced gastric or gastro-oesophageal junction cancer refractory to, or intolerant of, at least two previous chemotherapy regimens (ONO-4538-12, ATTRACTION-2): a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial(the Lancet, Published: 06 October 2017)

×

この記事に利益相反はありません。

会員登録 ログイン