再発/難治性多発性骨髄腫の新薬カイプロリス、週2回投与よりも週1回投与でPFSが有意に延長する


  • [公開日]2017.10.30
  • [最終更新日]2017.10.30

2017年10月23日、再発または難治性多発性骨髄腫患者に対する週1回投与のカルフィルゾミブ(商品名カイプロリス;以下カイプロリス)+デキサメタゾン併用療法有効性を検証した第III相のA.R.R.O.W.試験(NCT02412878)の結果がアムジェン社のプレスリリースにて公表された。

A.R.R.O.W.試験とは、ボルテゾミブ(商品名ベルケイド;以下ベルケイド)、免疫調整薬(IMiD)を含む2,3レジメンの治療歴がある再発または難治性多発性骨髄腫患者(N=478人)対して週1回のカイプロリス70mg/m2+デキサメタゾン40mgを投与する群、または週2回のカイプロリス27 mg/m2 +デキサメタゾン40mgを投与する群にランダムに振り分け、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目である安全性などを比較検証した国際多施設共同の第III相試験である。

本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は週2回の投与群7.6ヶ月に対して週1回の投与群11.2ヶ月と、週1回群は病勢進行または死亡のリスク(PFS)を31%(ハザード比0.69、95%信頼区間:0.54-0.88)統計学的有意に減少することが判った。

また副次評価項目である安全性は、カイプロリス投与により最も一般的に発症した有害事象としては貧血、下痢、疲労、高血圧、不眠症、発熱であった。

以上のA.R.R.O.W.試験の有効性、安全性の結果を受けてアムジェン社・研究開発部門・エクゼクティブ・バイスプレジデントのショーン・Eハーパー博士は以下のように述べている。”多発性骨髄腫のプロテアソーム阻害薬としてカイプロリスは最も効果の高い治療薬です。A.R.R.O.W.試験で週1回投与のカイプロリスが証明した有効性と安全性の結果より、我々はこの薬の価値に自信を持ちました。”

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