9月8日厚労省第二部会開催 オプジーボの胃がん適応拡大などが検討 ~通過すれば10月上旬に承認の可能性~


  • [公開日]2017.08.28
  • [最終更新日]2018.01.18[情報更新] 2017/11/27

8月25日、厚生労働省は、9月8日に薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会を開くことを発表した。がん関連は以下のとおりである。

ニボルマブ(オプジーボ)が胃がん適応で検討予定

今回の第二部会では、免疫チェックポイント阻害薬PD-1抗体ニボルマブ(商品名オプジーボ)の「胃がん」の適応追加が報告・検討される予定であり、注目される。もし、了承されることになれば、1か月後の10月上旬ごろには承認される見通しとなる。なお、「胃がん」適応にて、オプジーボが承認されれば、「治癒切除不能な進行・再発胃がん」適応で先駆け審査指定制度の指定を受けているPD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)の先駆け審査指定が取り消しになる可能性もあるようだ。

国内初のPD-L1抗体アベルマブ(バベンチオ)がメルケル細胞がん適応で検討予定

PD-1と対をなす標的であるPD-L1タンパクに結合するPD-L1抗体アベルマブ(商品名バベンチオ)が「メルケル細胞がん」の適応にて検討される。すでに希少疾病用医薬品に指定されている薬剤であり、了承されると国内初のPD-L1抗体が市場に出回るのに一歩近づく。

CD38抗体ダラツムマブ(ダラザレックス)が多発性骨髄腫適応で検討予定

CD38抗体ダラツムマブダラザレックス)が「再発・難治性多発性骨髄腫」の適応にて検討される。ダラザレックスは、多くの多発性骨髄腫細胞の表面に存在するCD38というタンパク質に結合する抗体(CD38抗体)となる。CD38に結合することにより、さまざまな経路(メカニズム)を介して腫瘍細胞の細胞死を誘導することができる。

PARP阻害薬オラパリブ(リムパーザ)のBRCA陽性乳がん、CD19 BiTE抗体ブリナツモマブの希少疾病用医薬品指定を検討予定

PARP阻害薬オラパリブ(リムパーザ)「BRCA遺伝子変異陽性の手術不能または再発乳がん」、CD19 BiTE抗体ブリナツモマブ「急性リンパ性白血病」については希少疾病用医薬品として、検討される。

その他、リツキシマブ(商品名リツキサン)の国内初のバイオシミラーが「CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫」「免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患」「ヴェゲナ肉芽腫症」「顕微鏡的多発血管炎」が検討される。また、ALK阻害薬のセリチニブ(商品名ジカディア)は「ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん」として検討され、了承されればクリゾチニブ(商品名ザーコリ)使用歴に関係なく保険適応に近づく。

記事:可知 健太

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