9月5日、セルジーン株式会社は、再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)を対象として、HDAC阻害薬ロミデプシンの医薬品製造販売承認申請を厚生労働省に行ったと発表した。

末梢性T細胞リンパ腫は、悪性リンパ腫の一つで、T 細胞を由来とする非ホジキンリンパ腫である。月単位で進行する中悪性度のリンパ腫に分類される難治性の疾患で、国内の患者数は2000 人以下と推計されている。 末梢性T細胞リンパ腫に対する標準治療はいまだに確立されておらず、特に再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫に対する治療選択肢は限られているため、新しい薬剤の開発が求められている。

ロミデプシンは、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC;えいちだっく)と呼ばれるタンパク質を阻害する。DNAはヒストンと呼ばれるDNAを糸巻のように巻き取るタンパク質によって、クロマチンという構造を形成しながら秩序的に染色体を構成するが、そこに関わるのがヒストン脱アセチル化酵素である。よって、HDACの活性化は、腫瘍の形成や増殖などを促進する。HDACの活性を阻害することによりアセチル化ヒストンが細胞内に蓄積し、がんの細胞周期の停止や細胞死が誘導され、その結果抗腫瘍効果を発揮すると考えられている。

ロミデプシンは、治療歴がある PTCL に対して、現在、米国を含め世界 5 ヵ国で承認を取得しており、にほんでは2016年8月24日に厚生労働省より「末梢性 T 細胞リンパ腫」を予定される効能・効果として希少疾病用医薬品に指定されている。

記事:可知 健太


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