• 検索
  • 相談
  • お知らせ
    2
  • メニュー
  • がん種
  • 特集
  • 治験
  • リサーチ
  • イベント
  • 体験談
  • 患者会
  • 辞典
  • お役立ち

悪性脳腫瘍 高齢の神経膠芽腫患者に対してテモダールを用いた放射線化学療法が有効 ASCO2016

[公開日] 2016.06.07[最終更新日] 2016.06.07

目次

 6月3日~6月7日にシカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO:あすこ)のAnnual Meeting(年次会議)にて、「高齢の神経膠芽腫(悪性脳腫瘍)患者に対して、短期間放射線療法にテモゾロミド(テモダール)を追加する第3相臨床試験結果」が、加トロント大学のJames R. Perry氏によって発表された。神経膠芽腫は神経膠腫のうち最も多いと言われている。  本演題は、毎年、応募される5000演題の中で4つしか選出されないプレナリーセッション(学問的に優れた演題)の発表の内の1つである。今年のプレナリーセッションのテーマは「患者ケアに多大な潜在的インパクトをもたらすと思われる演題」とのこと。  本試験は、新たに神経膠芽腫と診断された65歳以上の患者562症例対象に実施されたが、参加された患者のうち2/3は70歳以上となる。  参加した患者は、「短期放射線療法(40Gyを3週間以上にわたり15分割)+テモダール;化学放射線療法群」または「放射線療法単独;放射線療法群」に1:1にて割り付けられた。なお、テモダールは放射線療法と同時または、放射線療法後に使用された。

生活の質を保ったまま生存期間を延長

有効性と安全性に関する結果

【生存期間の中央値】  化学放射線療法:9.3か月  放射線療法:7.6か月 *統計学的に死亡リスクを37%改善(HR 0.67, 95%CI 0.56-0.80, p < 0.0001) 【病態の悪化を抑える期間の中央値(無増悪生存期間)】  化学放射線療法:5.3か月  放射線療法:3.9か月 *統計学的にリスクを50%改善(HR 0.50, 95%CI 0.41 – 0.60, p < 0.0001) 【治療開始1年後の生存割合】  化学放射線療法:37.8%  放射線療法:22.2% 【治療開始2年後の生存割合】  化学放射線療法:10.4%  放射線療法:2.8% 【MGMT遺伝子プロモーターメチル化の有無による生存期間の中央値】  膠芽腫細胞にはMGMT遺伝子が存在する。この遺伝子から作られるMGMTタンパク質はアルキル化製剤(テモダールなど)の効果を抑制すると言われている。ただし、この遺伝子のプロモーター領域(スイッチ)がメチル化していると、遺伝子からMGMTタンパクを作ることはできない。すなわち、「MGMT遺伝子プロモーターメチル化」していると、テモダールが効きやすい。今回、サブ解析として、MGMT遺伝子プロモーターメチル化の有無による生存期間の変化を確認している。 ◆MGMT遺伝子プロモーターメチル化を有する患者(165人)  化学放射線療法:13.9か月  放射線療法:7.7か月 *統計学的にリスクを47%を改善(HR: 0.53,95% C.I. 0.38, 0.73, p = 0.0001) ◆MGMT遺伝子プロモーターメチル化を有さない患者(189人)  化学放射線療法:10.0か月  放射線療法:7.9か月 *リスクを25%を改善(HR 0.75 (95% C.I. 0.56 – 1.01, p = 0.055) 【安全性・QOL】  生活の質(クオリティーオブライフ:QOL)に対する影響は、放射線療法にテモダールを追加しても変わりはなかった。  有害事象は、テモダールを加えることにより、嘔気・嘔吐および便秘が増加した。  非高齢者に対して放射線療法にテモダールを追加することの有効性示されているが、高齢者については検討段階であり、本試験はそれを立証するための臨床試験となる。  Perry氏は、「高齢者は神経膠芽腫の影響が顕著であるが、高齢者を治療するための明確なガイドラインはなかった。この試験は、短い期間で放射線療法に化学療法を実施するため、大幅に生活の質を損なうこともなく、生存を延長することができる初めての無作為化臨床試験である。生存期間の中央値は控えめとなっているが、2年生存率、3年生存率は顕著に増加した」と述べた。 A phase III randomized controlled trial of short-course radiotherapy with or without concomitant and adjuvant temozolomide in elderly patients with glioblastoma (CCTG CE.6, EORTC 26062-22061, TROG 08.02, NCT00482677).(ASCO2016 Abstract No:LBA2) Radiation Therapy With or Without Temozolomide in Treating Older Patients With Newly Diagnosed Glioblastoma Multiforme (NCT00482677) 記事:可知 健太
ニュース 脳腫瘍 高齢 脳腫瘍

治験・臨床試験

一覧を見る

リサーチ・調査

一覧を見る

ニュース

一覧を見る

イベント

一覧を見る

患者会

一覧を見る

電話受付:平日(月〜金)10:00-18:00

2025年08月14日
ニュース 肺がん
2025年08月14日
ニュース 悪性リンパ腫
2025年08月13日
ニュース 乳がん
2025年08月13日
ニュース 乳がん
2025年08月12日
ニュース 前立腺がん
2025年08月12日
ニュース 前立腺がん
2025年08月08日
ニュース 多発性骨髄腫
2025年08月08日
ニュース 膵臓がん
2025年08月07日
ニュース 乳がん
2025年08月07日
ニュース 乳がん がん全般 検査