■この記事のポイント
・米国癌研究学会にて、進行頭頸部扁平上皮がんに対するオプジーボの臨床試験結果が発表された(日本でも実施)
・生存期間の中央値は統計学的にも延長。PD-L1発現有す患者やHPV感染を有す患者により効果的な結果を示唆
・この結果を受けて、FDA breakthrough therapy(画期的新薬)として認定。日本の動向にも期待


4月16日から4月20日に、米国ニューオーリンズにて開催されたAACR(American Association for Cancer Research;米国癌研究学会)にて、プラチナ製剤による治療歴を有する進行頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)患者を対象とた免疫チェックポイント阻害薬PD-1抗体ニボルマブ(オプジーボ)の第3相臨床試験(CheckMate141試験)の結果が発表されました。本試験は日本でも実施された国際共同試験となります。

オプジーボの1年生存率は約2倍、PD-L1発現のある患者により効果的

本試験は、プラチナ製剤による治療歴を有する再発または転移性頭頚部扁平上皮がん患者361人を対象に、「オプジーボ;240人」または「治験担当医が選択した治療(メトトレキサート、ドセタキセル、またはセツキシマブ);121人」を使用した際の有効性を検討した試験となります。

生存期間

全対象、腫瘍細胞上のPD-L1タンパク質の量、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染の有無における生存期間の比較は以下の表通り。

図3
*HPV検査は口腔・咽頭がんの患者に対して実施

1年生存率(治療開始から1年後も生存していた方の割合)

オプジーボ群:36%
治験担当医師が選択した治療群:16.6%

安全性

本試験におけるオプジーボの安全性面については、これまでの他の試験結果と一貫しており、新たな懸念は認められませんでした。

・重症度を問わない全体の副作用割合は、「オプジーボ群58.9%」、治験担当医師が選択した治療群77.5%」
・グレード3~4(中等度から重度) の副作用は、「オプジーボ群13.1%」、治験担当医師が選択した治療群35.1%」
・薬剤に関連する死亡例がオプジーボで2 例(肺臓炎および高カルシウム血症)、治験担当医師が選択した治療群では1例(肺感染症)

本試験は、あらかじめ計画されていた中間解析の結果に基づき、2016年1月に早期有効で中止しました。これは、独立データモニタリング委員会(DMC)が実施した評価により、対照群と比較してオプジーボの投与を受けた患者群において生存期間の延長が達成されたと結論付けられたためとなります。

FDA breakthrough therapy(画期的新薬)として認定

この結果を受けて、4月25日、FDA(米国食品医薬品局)は、 オプジーボを「プラチナ製剤による治療歴を有する再発または転移性頭頚部扁平上皮がん」のbreakthrough therapy(画期的新薬)として認定しています。

参考

・Nivolumab (nivo) vs investigator’s choice (IC) for recurrent or metastatic (R/M) head and neck squamous cell carcinoma (HNSCC): CheckMate-141(AACR2016, Abstract# CT099)
・Nivolumab Improved Survival For Patients With Head and Neck Squamous Cell Carcinoma(AACR New release, 19/Apr/2016)
・AACR 2016: Nivolumab Improved Survival for Patients With Head and Neck Squamous Cell Carcinoma(ASCO POST,19/Apr/2016)
・Trial of Nivolumab vs Therapy of Investigator’s Choice in Recurrent or Metastatic Head and Neck Carcinoma (CheckMate 141)(ClinicalTrials.gov Identifier:NCT02105636)
・小野薬品工業およびブリストル・マイヤーズスクイブプレスリリース(2016/4/21)
・Bristol-Myers Squibb’s Opdivo® (nivolumab) Receives Breakthrough Therapy Designation from U.S. Food and Drug Administration for Previously Treated Recurrent or Metastatic Squamous Cell Carcinoma of the Head and Neck(Bristol-Myers Squibb’s press release)

記事:可知 健太

 

keyword:頭頸部がん、オプジーボ、ブレークスルーセラピー、免疫チェックポイント阻害薬、PD-1抗体


この記事に利益相反はありません。

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