転移性大腸がんに対する併用化学療法として、カペシタビン(商品名:ゼローダ)とオキサリプラチン(商品名:エルプラット)及びS-1(薬剤名:TS-1)とオキサリプラチン(商品名:エルプラット)による一次治療を比較する多施設ランダム化比較第2相試験の結果が、2015年8月29日のジャーナル オブ キャンサー誌に掲載されました。

 この試験は韓国の翰林(ハルリム)大学医療センターのJung Han Kim氏を始めとする7施設で実施され、転移性大腸がん患者86人がTS−1群42人、ゼローダ群に44人にそれぞれ割り付けられました。

 オキサリプラチンは両群とも130mg/㎡を1日目に静脈内投与、その後3週ごとに1回投与し、それに加えてTS−1群ではTS-1を40mg/㎡、ゼローダ群ではゼローダを1,000mg/㎡ 各群2回/日×14日間経口投与後、1週間の休薬期間がとられました。

 結果は、奏効率はTS−1群33.3%、ゼローダ群40.9%であり両群に差を認めず、病勢制御率はTS−1群92.9%、ゼローダ群77.3%と、TS-1群で有意に高い結果となりました。

 また、観察期間17.9ヶ月時点における無増悪生存期間はTS−1群6.1ヶ月、ゼローダ群7.4ヶ月、生存期間はTS−1群18.7ヶ月、ゼローダ群20.1ヶ月であり、無増悪生存期間および生存期間には差が認められませんでした。

 重篤な副作用発現で最も頻度が高かったのは血小板減少症であり、TS−1群19.0%、ゼローダ群28.6%、好中球減少症はTS−1群2.4%、ゼローダ群16.7%であり、ともにゼローダ群で副作用の発現頻度が有意に高い結果となりました。

 Jung Han Kim氏は、転移性大腸がん治療において、TS−1とゼローダ双方ともにエルプラット注射と併用する化学療法は有効性があり、重篤な副作用はあるものの許容できるものと結論付け、TS−1も治療選択肢のひとつになり得るとしました。今後の臨床試験では、より大規模な第3相試験の実施を計画しているそうです。

記事:前原 克章(投稿:川村 千恵)


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