進行・再燃扁平非小細胞肺がんの治療成績は低く、治療選択も限られています。

ニボルマブ(商品名オプジーボ)は非小細胞肺癌に対し、高い抗腫瘍効果が期待できる免疫チェックポイントPD-1阻害薬となり、最近、一般の方々もよく耳にするようになっています。米国では、プラチナ製剤を2剤併用する治療中または治療後に転移した扁平上皮非小細胞肺がんに対し、承認を受けています。しかしながら、その効果と安全性のプロファイルは不明な点が多々あり、タンパク質や遺伝子レベルでの解析が続いています。

今回、扁平非小細胞肺癌におけるプラチナ製剤を2剤併用し、病勢が進行した患者にニボルマブを投与し治療した際の、有効性及び安全性指標であるバイオマーカー分析をする第2相臨床試験(CheckMate 063試験)結果が、米国・デンバーで9月6日〜9日まで開催されている世界肺癌学会にて、米ヴァンダービルト‐イングラムがんセンターのLeora Horn氏によって、報告されました。

本試験は、117人の患者を対象に、がんの進行あるいは、許容できない副作用が発現するまで、ニボルマブ3mg/kgを2週ごとに投与が継続されています。これらの患者の効果や安全性とPD-L1タンパク発現(腫瘍細胞に≧5%)や血清を循環するマイクロRNAとサイトカインのバイオマーカー分析が行われました。

ポイントは以下の通りです(注目は太字にしています)。

1.奏効率(ある一定上腫瘍が縮小した割合)は15%であった。
治療奏効期間は長く続いており、最少で11カ月のフォローアップ終了時でも効果が持続している方が76%(13/17人)となり、現在も治療継続中となっている。
2.奏効率はPD-L1タンパクの発現に関わることはなかった。
3.PD-L1タンパク質発現が認められた22人中4人は病勢の進行を認めたが、ニボルマブによる治療は継続され、腫瘍が2個以上進行した患者はいなかった。
この4人の全生存期間(OS)は、6.6ヶ月、11.6ヶ月以上、12.9ヶ月以上、13.5ヶ月以上であった。
4.全体で1年生存率は41%であり、全生存期間(OS)の中央値は8.2ヶ月であった。
5.全体で1年無病生存期間(PFS;がんの進行を抑えている期間)は20%であり、中央値は1.9ヶ月であった。
6.グレード3・4の有害事象は、17%の患者で確認され、倦怠感(4%)、下痢(3%)、肺炎(3%)が主なものであった。肺炎についてはステロイドで治療を行い、3〜4週間で回復した。
7.2人の患者で治療関連死が確認され、それぞれ低酸素性肺炎と虚血性脳卒中の発症が原因であった。
8.抹消血清ではIFN-γwを刺激するCXCL9/CXCL10を含むサイトカインは増加していることが観察され、ニボルマブ投与により細胞障害性のT細胞が増加していることを示していた。また、暫定のマイクロRNA分析では、ニボルマブ治療により、遺伝子発現に変化が見られた。

Leora Horn氏は、「結論として、ニボルマブは進行・再燃肺扁平非小細胞肺がんにおいて、臨床的意義のある有効性と許容できる安全性が示され、全生存期間(OS)とバイオマーカー分析は18ヶ月のフォローアップにてさらなる情報を提供できるだろう」と締めくくりました。

下記、表には、奏効率、年齢、ニボルマブ治療までの前治療数、パフォーマンスステータス、PD-L1タンパクの発現と奏効率の関係が示されています。

図2

記事:前原 克章(主) & 可知 健太


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