5月27日、参院本会議は医療保険制度改革法案(正式名称「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案」)の採決を行い、同法は賛成多数で可決、成立しました。

これにより、ベッド数500床以上の大病院等を紹介状なしで受診するためには初診料とは別に定額負担が必要となります。定額負担は5,000円か1万円を軸に検討中とのことです。また、入院食の自己負担を現状の260円から2016年度から360円に、18年度から460円に値上げされます(例外あり)。

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この他、患者申出療養(かんじゃもうしでりょうよう)が2016年度からスタートしますが、オンコロでは本制度に着目していきます。

患者申出療養とは?

患者申出療養とは、例えば「①海外で承認されていても日本で承認されていない薬剤を使いたいと患者さんが申し出る」と「②その申し出を受け入れるか否かを医療機関が倫理的・科学的に審議し」、「③原則6週間以内に保険外併用療養として使用できるようにする(その薬剤については100%負担ではあるものの、ほかの診療については公的保険が使用でき10~30%負担となる)」という制度です。

日本では混合診療は認められていません。よって、現状では日本で未承認の薬剤を使用する場合、その薬剤だけではなく、すべての診療費について100%自己負担となってしまいます。ただし、例外として認められる場合があり、保険外併用療養という制度です。

先進医療や治験などはこの保険外併用療養に該当します。先進医療であれば、国が先進医療として認定している医療を行う場合、その医療自体は診療費は100%自己負担となるものの、その他の診療費は公的保険が使用でき、10~30%負担となります。

先進医療は「国が定めた医療」となりますが、患者申出療養は「患者が使用したいと申し出た医療」となり、2016年度以降にこの制度がスタートします。

保険外併用療養費

患者申出療養

ただし、病院ならどこででも使用できるわけではなく、臨床試験中核病院、大学病院本院やがん拠点病院などを念頭に検討中とのことです。

その他、「該当となる治療自体が高額であり裕福な患者にしか使用できないのでは?」、「製薬企業の医薬品開発が鈍化するのでは?」、「患者の安全性の確保や副作用時の補償はどのようにするか?」など、クリアーしなければならない課題がありそうです。

時間があるときに、『患者申出制度「候補」の抗がん剤の大半が月100万円という真実』というテーマで発信できればと思います。

記事:可知 健太


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