7月2日~7月4日まで開催されてた第23回日本乳癌学会学術総会で、名古屋市立大学病院乳腺内分泌外科の遠山竜也氏が「転移・再発乳がん患者に対する1次治療として、S-1(商品名ティーエスワンなど)とタキサン系薬剤(商品名タキソール、タキソテール)を比較した第3相臨床試験結果」のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)や医療経済性の解析結果が発表されました。本試験は2014年の米国腫瘍学会にて非劣性が確認されている試験の解析結果となります。タキサン系薬剤を使用した方は286人、S-1を使用した方は306人でした。

ポイントは以下の通りです。

1.生存期間の中央値は、タキサン系薬剤37.2カ月 vs S-1 35.0カ月であり、統計学的にタキサン系薬剤とS-1の非劣性(同等の効果)である。(ASCO2014発表)
2.QOLの評価はS-1が良好だった。特に役割機能、認知機能、心理機能、経済的困難、社会機能、疼痛において優れており、統計的にも証明された(P=0.04)。
3.6か月間の費用(交通費やウィッグなどの費用を含む):タキサン系薬剤37万9334円 vs S-1 28万5008円。ただし、労働損失は両群で差がなかったが、装身具の費用や介護者の労働損失はS-1の方が低かった。
4.1か月あたりの直接医療費:タキソテール3~4週投与11万3930円、タキソール3~4週毎投与10万9730円、タキソール毎週投与13万7250円、S-1 6万8150円、ドセタキセル後発品7万4640円、パクリタキセル後発品5万6280円。

【試験デザイン】
selectbc_sc
パブリックヘルスリレーションシップセンターSELECT BC試験

【参考】
第23回日本乳癌学会学術総会抄録(OS-1-02-03)

記事:可知 健太


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